図説 日本史通覧 の感想

　この手の「日本史図録」は永らく、教科書屋の山川出版の独壇場だった！（と言っていいかもしれない）。帝国書院も世界史では「タペストリー」が今年で12訂版が出てきたこともあって、こっちのほうでは相当頑張ってる。（個人的には世界史図録では、帝国書院版が好きだけどね。）

　で、そういうこともあってか帝国書院が世界史図録で培ったノウハウを、本書にもふんだんに投入したかどうかは知らないけど(！)なかなかいいものが出来上がったんじゃないかな。

　日本史の通史では、「邪馬台国論争」とか｢南京虐殺事件｣等々の論議は、いまだにあるものの、ほぼパラダイム化されてきている。で、あとは、通史を読者にどうわかりやすくリリースするかっていうことになる。
　その点、本書は、冒頭に弥生時代から現代に至るまでの｢東アジア全図で見る日本史｣なるページが設けられているのは、なかなかいい。同じようなものは「世界史タペストリー」でもあった・・・・・

　さらに、「史料」が付録についている。これもいい。

　とか何とか言っても、高校生の参考書なので、税込926円という安さは、社会人にとっても当然のお買い得、お買い得で、歴史ファンにとっても好読み物、となって、チョーおすすめ。