嗚呼 すすきの/地球は今日も愛を育む (初回生産限定盤B) の感想

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※初回生産限定盤Bのレビューとなります

こちらは『地球は今日も愛を育む』がリードトラック
ジャケ写、付属のDVDも『地球は今日も愛を育む』のMVの仕様となっています

youtube公開のMVとの違いは曲前の気合い入れ（笑）と曲後のお疲れ様でしたー！、です
（信じ難いことにこれは本当です）

両A面、両曲共に落ち着いた曲調であり今までのスマイレージのシングル曲とは少し毛色が異なります。
しかし『地球は今日も愛を育む』はじわじわとサビに向けて盛り上がっていくタイプの曲。
さながら月の引力で満ち引きする夜の波を連想させます。

ミドルテンポの曲を単調な出来にせずここまで聴かせるのはスマイレージの歌唱力の為せる技と言えましょう
クールハローを体現するのがまさかスマイレージになるとは驚きですが。。。

『嗚呼、すすきの』は曲タイトルの狙いがよくわかりませんが（笑）久々のプラチナ歌謡です。
インストでバックトラックだけ聴くと序盤などはまさにプラチナ期モーニング娘。的な何かに聴こえる。。。
曲の頭で6人でパートを回しますがそこでメンバー個々の力量が向上していることを感じられます。（特に中西香菜）

シングル曲としてはキャッチーさに欠けるきらいもありますが両曲とも違う聴き応えがあり、出来自体はしっかりしています。

★4である理由はMVの付加部分があまりに軽いものだった為です。
（初回A盤のすすきのMVは前後にも空港撮影のシーンが挟まるのでそちらの方が手が込んでいます）

初回盤、どれか1枚を買うとしたらメイキングとダンスショット入りのC盤かD盤がいいかも知れません。

あとはジャケ写買いとかお好みで。。。（異なるのはDVD収録内容でCD収録曲はどの盤も同じです）

MVをぱっと見てまたダンスがうまくなったなと思いました。
あいかわらずどんどん成長してますね、スマイレージ。
歌唱力に関しては日本の古今東西のアイドルグループ中で、もはや最高の平均点をたたきだせる実力を有していると思います。
流れるように繋がっていくソロパート、ユニゾンの透明感とキラキラした美しさ、素晴らしいの一言です。

今回の楽曲は実験作という意味では、かなり野心的に攻めています。
マイナー調でクールな両A面ナンバーは、売れ線の曲調をあえて狙ってこなかったのかなと正直思いました。
そういった曲をシングル化することには商業的に賛否両論あると思いますが、それはさておき楽曲自体は２曲とも秀逸です。
つんく♂氏の歌謡曲への愛着、ユーロビートへの探求心、レゲエ的試みを随所にちりばめるなど、さまざまな要素がテンコ盛りです。
アレンジャーの仕事っぷりも見事で、まさに力作。がっつり重厚に細かいところまで綿密に作りこんでます。
今回の曲はぜひCDの音源でじっくり聴いて頂きたいと思います。インストも聴きごたえ十分です。
何度も、そして何年もリピートして鑑賞することに耐える得る仕上がりだと思います。
歌詞の世界観にも注目すべき点があります。
『嗚呼 すすきの』は恋愛相手と喧嘩して飛び出した女性の心の内面を吐露させていく形式でつづった、印象的なサビが耳に残るご当地ソング。
『地球は今日も愛を育む』は暗示的なフレーズを対句法でちりばめ過去を背負った二人が出会い、愛を育む意味を歌いあげる壮大な愛のテーマソング。
この２曲は一見別物の楽曲のようにみえますが絶妙にリンクしていて、霊的というか形而上学的な『地球は今日も愛を育む』の
愛を育むかたち、それを現実世界で映し鏡のように反映した現れのひとつが、『嗚呼 すすきの』のドラマチックなストーリーで表現されていると、
個人的にそう感じています。（←小難しくて申し訳ありません）

さて、アイドルソングは普通、そのアイドルの持っている若く可愛らしい素材を生かした楽曲を提供するのがセオリーです。