男と女の家 (新潮選書) の感想
参照データ
タイトル | 男と女の家 (新潮選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 宮脇 檀 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106005534 |
カテゴリ | アート・建築・デザイン » 建築 » 建築文化 » 住宅建築 |
購入者の感想
「父の椅子 男の椅子」という娘さんが書いたエッセイ集(今は絶版)と、本書を合わせて読むと、とびきりダンディで、わがままで、スタイリストで、断固たる男の一面と、誇り高い男のプライドを揺るがす離婚体験と埋め合わせることができない男の哀しみ、家族が離散した娘の哀しみと、娘と父との愛情が、ひしひしと伝わってくるのです。一度は、切なくて手離した本ですが、建築家の家というものに対する考え方が、説得力あるものに思えて、何度でも読み返したくなる本です。
前書きから、本書が編集されたころには、宮脇氏が自らの最期を覚悟していたことがわかる。著者の行った講演を本にしたものなので、1章から5章にかけては「それでも建てたい家」と内容的に重複する部分も多い。違いは6章にある。排泄や性生活など、おおっぴらに語られることの少ないトピックが、データと共に取り上げられている。建築家が施主に面と向かって、「お宅のセックスは激しいほうですか」と尋ねるわけにいかないが、さまざまな要望をめぐる会話の中から、こういった生活も何とか読み取り設計に反映しないと、住み手にとって本当に快適な家はできないと著者は語る。「夫婦が住む家」という視点で、かなり踏み込んだ話があり、一読の、いや繰り返し読む価値がある。