北一輝論 (講談社学術文庫) の感想

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参照データ

タイトル北一輝論 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者松本 健一
販売元講談社
JANコード9784061592148
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » イデオロギー

購入者の感想

 北一輝という名前は 最近読む機会があった大川周明関係でよく聞いたので 今回本書を読む機会を得た。

 226事件の精神的主導者と聞いていた北一輝である。但し それで片づけられて来ただけだったということを本書を通じて痛感した。
 これは歴史教育にも問題があると思うが 中学ー高校の日本史で 明治以降の歴史を扱う時間と 何より熱意が欠けているような気がする。勿論 縄文土器や藤原時代は大切なのだと思うが 今 この時代に繋がる「歴史」とは そのかなりの部分が明治維新以降ではないかと思う。その割には その部分を教えようという雰囲気が余りにないのではと思う。
 この北一輝も その一つの例だ。せいぜい「右翼の理論家」程度の認識しか持っていなかった僕としては 北が天皇機関説の彼方に 新しい時代を見ていたことは全く知らなかった。その点を今回知っただけでも 実りある読書になったと思う。

 本書で描かれる北一輝は 著者の思い入れというフィルターを通して見える姿であり それが正しいかどうかの判断材料は 今の僕にはない。但し これで非常に北という方には興味を覚えた。大川周明でも同じことを思うのだが 今までに貼られてきたレッテルは 一度剥がして その下に何があるのかを確かめるべきだ。北一輝に関しても 誠にそう思った次第だ。

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