日本がアメリカに勝つ方法: 日本経済、大反撃のシナリオ (犀の教室) の感想

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参照データ

タイトル日本がアメリカに勝つ方法: 日本経済、大反撃のシナリオ (犀の教室)
発売日販売日未定
製作者倉本圭造
販売元晶文社
JANコード9784794968135
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済思想・経済学説

購入者の感想

本書を読んだあと、前著の『21世紀の薩長同盟を結べ!』のレビュー欄にこう書いた。

無条件で推挙したい。日本の論客たちは入り乱れて、名論卓説を発表している。志の高い実践者も数多い。にもかかわらず、状況がいっこうに打開できない原因を指摘している。前人未踏の説である。まだ30代、この若さでよくここまで考えていると感心する。小林秀雄のような大御所の言論が、ある意味では、甘く見えてくるほどだ(あくまでも、ある意味では、である)。

このコメントは、本書へのものでもある。さらによく当てはまる。私も、ごく小さい世界ではあるが、言論活動をして、自説に基づいていささかの実践を試みた。しかし、本書にある通りの行き詰まりを感じた。つまり、ある程度までは「そうだよね!」という仲間が集まるのだが、その先に行かない。私に直接反発したというわけではないが、私と対照的な言説や実践が逆サイドに形成され始めた。そして、その逆サイドとは敵対してはいないが、対話ができない。つまり、私は私で一貫しているのだが、逆サイドも彼らでそれなりに一貫した、言説と実践を持っている。内的に一貫している同士なら、冷静な対話ができそうに思うのだが、実際にはできない。その不思議を感じてきた。P96の図1-2は卓抜である。私の実感をヴィジュアルにしてもらった快感がある。

東浩紀もどこかで同じようなことを書いていた(出典を知っている方は教示を乞う)。南京事件についてだったと思うが、両サイドがそれぞれの事実関係のソース(証拠)を持っている。また自説を補強するロジックを固めている。つまり、それぞれが強固な完結したパッケージのようになっている。だから、一方が、相手のソースや論理の不備を一つずつ指摘して、公正な議論をしているつもりでも、相手側はビクともしない。「ああ言えば、こう言う」状態で、フラストレーションと嫌悪感が増すばかりである。そういう対話から何かが生まれるという期待は諦めた方がいい、というのが東浩紀の論旨だったと思う。慰安婦問題、原発問題などはまさにそういう状況である。

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