科学者に委ねてはいけないこと――科学から「生」をとりもどす の感想

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タイトル科学者に委ねてはいけないこと――科学から「生」をとりもどす
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784000052184
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 3.11後、原発事故の報道や論評に接して、私は「言葉がその価値を失うとき」といった感覚を、多くの専門家の言動から受けてきた。
 私のその疑問を、本書では複数の執筆者が、「信頼」という言葉を軸にして分析を進めていく。科学者への信頼を失った原因を、リスクの隠蔽や安全神話の形成といったものに焦点を当て、それがどのように行われてきたかについて論じる。さらに、「ただちに影響はない」、「正しく恐れる」、「パニック」、「風評被害」という言葉を駆使する科学者たちの欺瞞にもメスを入れていく。
 私が専門家に対して抱いていた違和感は、次の逆説的な表現が言い当てていた。『放射線をめぐる多くの専門家の逸脱は、「医学・公衆衛生学を歪めることなしに原発は存在しえない」 ということを立証しているように思えてならない。』 4章P.91。
 その他、示唆に富む多くの論文に接することができた。 「国会事故調で一部調査しながら報告書には盛り込めなかった大きな問題の一つである放射線教育」の3章P.63や、「リスク・コミュニケーションのあり方」 について論じた5章P.104等。同じ岩波書店から出されている 「福島原発で何が起きたか−安全神話の崩壊」 も合わせて読むことをお勧めしたい。

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