ルーズベルトの開戦責任: 大統領が最も恐れた男の証言 の感想

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参照データ

タイトルルーズベルトの開戦責任: 大統領が最も恐れた男の証言
発売日販売日未定
製作者ハミルトン フィッシュ
販売元草思社
JANコード9784794220622
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

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この本は、1939年9 月1 日の欧州での世界大戦と、1941年12月8 日の大東亜戦争の原因に深く係わった介入主義者のルーズベルトの失政を戦後明らかにした、非介入主義者で共和党議員であったハミルトン・フイッシュが米国の独立200 周年に当たる1976年に発行した書籍である。

 1941年11月26日ルーズベルトは、日本に、日本軍及び警察のインドシナ、中国( 満洲を含む) からの即時全面撤退を要求した最後通牒( ハルノート) を突き付けた。ルーズベルトは、この文書が最後通牒の性格を有することを認識していた。日本がこの挑発に乗らなければ、さらなる第2の最後通牒を発することを検討していた。国務長官スチムソンは、日本が挑発に乗らなければ、米国から戦争を仕掛けるべきと大統領に進言していた。日本を挑発し、英国を支援し、欧州戦争に裏口から参戦するためであった。

米国からの最後通牒により、日本は、自殺するか、降伏するか、さもなくば戦うかの選択しか残されていなかった。この最後通牒は、米国議会、米国民には、全く、知らされていなかった。
 
日本は、この最後通牒を受ける前に、8 月には近衛首相が米国に出向いて首脳会談を行うことを提案したが、この会談は、対日戦、対独戦を既に決定しているとの理由で拒絶された。11月には、日本は、甲案による計画的撤兵を提案し、乙案による南仏印から撤兵する暫定案を提案していた。米国側の日本案に対する戦争を回避できる可能性のある暫定案は、事前に蒋介石とチャーチルに示され、彼らにより否定された。ルーズベルトは、コミンテルンの財務省のホワイトにより起案された宣戦布告ともいうべきこの最後通牒を承認し、これを日本に手渡した。この最後通牒は、日本がとうてい呑めないこと、手渡せば戦闘が開始されることをルーズベルトは十分に認識した上で、通達された。

ハミルトン・フィッシュは、フランクリン・ルーズベルト(FDR)と同じオランダ系のWASPであり、共和党の有力政治家としてFDRのライバルであった政治家である。欧州戦線への参戦に反対し続けた彼は、「日本の真珠湾攻撃」の報に接し、それまでの非介入主義を一転させ、ルーズベルトの「開戦演説」を強力に支持する議会スピーチを行った。
しかし、FDRの死と大戦終了後、彼は、FDRがいかに執拗にヨーロッパに参戦をもくろみ、日本には経済封鎖と最後通牒たる「ハルノート」を突きつけて真珠湾攻撃に至らしめたのかを知り、騙されたことに臍を噛んだ。
本書は、1976年、アメリカ建国200年の年に、そして「FDRのヤルタ」が招いたベトナム戦争の敗北の翌年に、書かれた。著者は、当時、既に87歳であり、自身が政治家として知り得た真実を書き残す義務を果たそうとしたものと思われる。
著者のTragic Deception (1983 ) は、「日米開戦の悲劇」(PHP)として我が国でも1990年代に岡崎久彦氏によって紹介されており、その論点の骨子そのものは知られている。しかし本書は、第二次大戦勃発直前のヨーロッパ情勢を自身の外交活動を含めて臨場感あふれる叙述で描くとともに、日米戦争、中国の共産化、ヤルタの真実を究明し、FDRの外交戦略が第二次大戦を招いたのではないかと、厳しく批判する。

1 「ダンチッヒ」の帰属問題が、なぜ、第二次大戦の引き金を引いたのか?

第二次大戦の起源については、概ね、「ナチス政権の旧ドイツ領復権と生存圏拡大の野望が招いた」と理解されているのではないだろうか。「ナチスこそ、第二次大戦の原因であり、イタリアのファシズム、日本の軍国主義がそれを増長した」。そう考えている人は多いことだろう。だが、それは全体的真実なのか?

ベルサイユ条約は、ドイツに対する過酷な要求を突きつけたものだが、これが行きすぎたものだったという反省は、英仏にはあった。チェンバレンの「宥和政策」は、ミュンヘンの妥協として批判されるが、「民族自決」の原理に立てばドイツ系住民が90%を占めるズデーテンやダンチッヒが本来属すべきドイツに復帰することはある意味で現実的なことだった。

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