西遊記〈上〉 (岩波少年文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル西遊記〈上〉 (岩波少年文庫)
発売日販売日未定
製作者呉 承恩
販売元岩波書店
JANコード9784001145472
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 中国文学

購入者の感想

 先日岩波ジュニア版の「水滸伝」を読了したので、次は同シリーズの「西遊記」だ!!という事で読んでみました。いきなり全訳に挑むのは躊躇われるので、例によってまずはジュニア版で様子見です。

「水滸伝」の方は、登場する人間の多くが荒くれ者の男性で、性別の違いを抜きにしても、生真面目人間タイプ(自己申告)の自分には感情移入がしにくかったのですが、西遊記は、ちょいちょい悟空に共感したり感情が入ったりするし、動物が仙や妖怪になったり、天界に住む仙人たちの文化の描写が細かかったり(仙丹を作る炉にワクワク)如意棒等の不思議な道具が出て来たりと世界観が面白くて、すいすい読めました!!悟空は短気な暴れ者ですが、いざという時に見せる師匠への健気な忠誠心には、ほろっとさせられます。
 お話も上手に省略されているようで、テンポ良く進みます。1巻前半は悟空が岩から生まれ、仙術を身に付けるも天界で暴れて五行山に封印されるまでを描き、半ば以降は三蔵の旅が始まり、悟空、八戒(悟能)、悟浄の師弟が順々に揃い、妖怪と戦いながら天竺に向かいます。

 小説家中島敦の「西遊記」ものを始め(「悟浄歎異」の人間洞察は秀逸。お読みになっておられない方はぜひ!短編なので一瞬で読めます)ドラマやサブカルなど、「西遊記」には様々なバージョンや解釈がありますが、この原作は悟空が文武両道のリーダータイプ、八戒が掻き回し役、悟浄は真面目な常識人という感じです。三蔵は可哀相なくらいの守られ役で、活躍の場面がほぼ無きに等しい・・。歴史上では、皇帝の制止を振り切り、夜中に中国を脱出してまで天竺へ行ったというので、相当根性のある方だったと思いますが、作中では愚痴を言ってばかりの、三ページ進めば敵に捕まるだめ坊主になってしまっています・・。
 
ともあれ、冒険小説が好きな方には絶対にお勧めです!ドラマは見たけど原作はまだ、という方にもぜひ読んでいただきたい。筋や世界観が面白い上に文章も平易なので、すぐに読めてしまいます!
 こちらを読んで、岩波の全訳版(全10巻)も読みたくなりました。レビューによれば、完訳版の訳文も「読みやすい!」と大変評判が良い。更に深い「西遊記」ワールドに遊ぶのが今から楽しみです!!
 

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

西遊記〈上〉 (岩波少年文庫)

アマゾンで購入する
岩波書店から発売された呉 承恩の西遊記〈上〉 (岩波少年文庫)(JAN:9784001145472)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.