アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実 (有斐閣アルマ) の感想
参照データ
タイトル | アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実 (有斐閣アルマ) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 有斐閣 |
JANコード | 9784641121621 |
カテゴリ | ジャンル別 » 歴史・地理 » 世界史 » アメリカ史 |
購入者の感想
教科書としても使われているらしく、全体として固い。しかし内容もまた手堅い。「おおスザンナ」の作曲家フォスターは南部には一度も行ったことがないのに、ルイジアナやケンタッキーの風景をノスタルジックに歌ったということなど、豆知識としても。
以下の「雇われること、自立すること」という章の導入文など、考えさせられる部分も多い。
『19世紀の資本主義発展は、「階級のない社会」という理念を切り崩し、他人に雇われて働かなければ飢えてしまう人々を生み出していった。この理念と現実との両立を図ったのが成功倫理である。アメリカは「機会の国」であり、貧しさは努力をすれば逃れられる一時的な状態である。また、誰もが平等な社会とは誰も重要ではない社会でもあり、アメリカでは成功し富を獲得し、人から尊敬されることがとくに重要になる』
以下の「雇われること、自立すること」という章の導入文など、考えさせられる部分も多い。
『19世紀の資本主義発展は、「階級のない社会」という理念を切り崩し、他人に雇われて働かなければ飢えてしまう人々を生み出していった。この理念と現実との両立を図ったのが成功倫理である。アメリカは「機会の国」であり、貧しさは努力をすれば逃れられる一時的な状態である。また、誰もが平等な社会とは誰も重要ではない社会でもあり、アメリカでは成功し富を獲得し、人から尊敬されることがとくに重要になる』
現在、多文化主義、移民国家として捉えられているアメリカをいろいろな視点から捉えることができる一冊です。
この本は歴史の流れというよりも、さまざまなテーマからアメリカを見つめています。白人であったり、先住民であったり、黒人、アジア人などについての論文もあれば、ジェンダーといった視点から論文もあります。
本書では、民族だけでなく、文化といった点からの章もあるため、多文化のアメリカをまさに多角的に捉えることができるでしょう。
アメリカ研究をする人のための基本書、バイブルとも言えるほど、内容は充実していました。
今現在、イラク戦争でアメリカが話題に上ることが多いですが、そういったアメリカの行動の根底を垣間見ることができた気もしました。
アメリカの歴史に興味がある人にはぜひ一度読んでいただきたい本です。
この本は歴史の流れというよりも、さまざまなテーマからアメリカを見つめています。白人であったり、先住民であったり、黒人、アジア人などについての論文もあれば、ジェンダーといった視点から論文もあります。
本書では、民族だけでなく、文化といった点からの章もあるため、多文化のアメリカをまさに多角的に捉えることができるでしょう。
アメリカ研究をする人のための基本書、バイブルとも言えるほど、内容は充実していました。
今現在、イラク戦争でアメリカが話題に上ることが多いですが、そういったアメリカの行動の根底を垣間見ることができた気もしました。
アメリカの歴史に興味がある人にはぜひ一度読んでいただきたい本です。