民法の基礎 (1) 総則 第3版 の感想

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参照データ

タイトル民法の基礎 (1) 総則 第3版
発売日販売日未定
製作者佐久間 毅
販売元有斐閣
JANコード9784641135185
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 民法・民事法

購入者の感想

初心者から上級者まで総則ならこの本で十分行けると言える。何回繰り返して読める本と言っていいかもしれない。東大がこの本を指定したのは当然と言えるでしょう。ただ総則の規定どうりに説明はしていないから戸惑うかもしれない。

資格試験の勉強には短期間で広範囲の知識とその運用力を身に付けなければならず、一冊の本を長時間吟味するのは効率が悪い。
予備校本というのはそうした目的の下でのインプットには欠かせないものである。
しかし、予備校本はインターネット上の情報と似ていて、どれにあたっても同じような掘り下げ度の情報にしか辿りつけないという事態にときおり遭遇する。
そうしたときは学者の本に帰るべきだろう。
例えば、時効の援用権者の範囲、という論点に関し、予備校本は「時効によって直接に利益を受けるべき者」という判例の立場を記述し、具体例を列挙するにとどまるものが多い。
物上保証人、抵当権者等がなぜ援用権者であり、後順位抵当権者はなぜ援用権者ではないのかに触れているものはない。
本書によれば、判例は一貫して、直接性、可分性を要求するとしつつ、なお、それでもなぜ直接性、可分性を要するのか判例では明らかではないという問題提起をしている。
その上で、財産権不可侵の原則、私的自治に立ち返って、それら要件を導出し、各事例にあてはめている。
ここまで見て、始めてこの論点の意義が理解できるし、幾多の事例を単なる暗記ではなく、その裏に流れる考え方に照らし吟味することもできるようになる。
学者先生の本にしても、なかにはあーでもないこーでもない式の趣味本や、切り口の斬新性を問うものもの、網羅性を重視し基本的な部分は省略されているものなどあって、初学者は選定に苦労するところであるが、本書は基礎を省略することなくかつ具体例に即した説明がなされている点で、私のような初学者にもフレンドリーなものであると思った。

某ロースクールの未修コースの教科書に指定されていました。
(著者は京大教授ですが、京大ローではありません。)

「民法の基礎」と名づけられているとおり、非常にわかりやすいです。
ケースを用いて要件・効果の解説がなされており、条文の適用場面を具体的事例に結び付けて理解しやすいです。
基本的な要件・効果の解説の他、補論や発展、関連論点等、記述に強弱を付けて読みやすくしあがっています。
そのため、判例や通説がどのようになっているか、最近の有力説はどのようになっているか混同せず理解できます。

本書は基礎と名うってありますが、「発展学習」の項がちりばめられており、基礎的内容にとどまらない先端論点・発展論点もとりあげられています。
要件事実や規範的要件をどのように立証していくかというテーマにも各論点で言及されていて高いレベルの学習も可能です。
したがいまして、内容は入門者から上級者まであらゆるニーズに応えるものになっています。
基礎の理解を深め先端論点・発展論点に対し熟考したい上級者にも本書をおすすめします。

なお、2008年3月に改訂されているため、新法人制度に対応した内容になっています。

民法総則の基本書を探されている方は本書を読んでみてください。
同じく佐久間先生の「民法の基礎(2)物権」とあわせると内田民法1の範囲をカバーできます。0

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