ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623) の感想

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タイトルロシア闇と魂の国家 (文春新書 623)
発売日販売日未定
製作者亀山 郁夫
販売元文藝春秋
JANコード9784166606238
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

ロシア文学者亀山氏と、元外務省の佐藤氏の対談。
対談本というのはえてして、同じような考えの人がお互いの話に相槌を打ちながら、平凡な内容がダラダラと続く、というものが多いような気がするが、本書はまったく違う。

お互いのバックグラウンド(亀山氏のロシア文学および文化全般に対し、佐藤氏の外交官としての経験と神学)の幅広い知識を総動員しながら、お互いの考えを認めるところは認めながら、異論はきちんと唱える。
そんな丁々発止のきわめてレベルの高い対談なのだ。

特に、亀山氏のレーニン廟論(レーニンのミイラが残されているのは、逆説的にレーニンが復活しないという証明)やペテルブルグ論(ペテルブルグは「鉄のコルセット」としてロシア文化を締め付けたがゆえに、多くの国で賞賛されるようなロシア文化を築きあげた)には目からウロコが落ちる思いがした。

また、佐藤氏のプーチンの大統領退任後に対する見解(ロシアでは人に権力があるのではなく、地位に権力がある。だから大統領を離れたプーチンに権力が留まるとは考えにくい)やチェコなど周辺諸国が抱えるロシアへの恐怖の正体などは、経験豊富な氏だからこそ語れる、きわめて貴重な視点だった。

と、ここでは書ききれないくらい気づきの多い一冊なのだが、やっぱりあくまで本書は「ロシア好き」がターゲット。
ドストエフスキーを始めロシア文化に対するそれなりの知識がないと、付いていくのは少々厳しいかも・・・。

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文藝春秋から発売された亀山 郁夫のロシア闇と魂の国家 (文春新書 623)(JAN:9784166606238)の感想と評価
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