レ・ミゼラブル (上) (角川文庫) の感想

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参照データ

タイトルレ・ミゼラブル (上) (角川文庫)
発売日販売日未定
製作者ヴィクトル・ユゴー
販売元角川書店(角川グループパブリッシング)
JANコード9784041005743
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

購入者の感想

元々ミュージカルのレ・ミゼラブルが好きで、
新潮文庫の佐藤朔訳版は全巻書棚にあるのですが初めて読んだときに挫折して以来、
もっぱらミュージカルのシーンを原作と対比して確認する際の資料的な使い方をしており、
いまだに全巻完読はできていません。
そこで読みやすい新訳が出たと言うことで挑戦してみました。
本書の下巻の訳者あとがきにある通り、
こちらの新訳版は1960年代にハーバード大学の教授が発表した、
レ・ミゼラブルを読みやすいように原文に忠実に、
小説の内容と直接関係してこない枝葉の部分(ヨーロッパ史や社会思想など)
をそぎ落として読みやすいようにした作品に、
著者がフランス語原文、3種類の日本語訳版を参考に訳したものということです。
どうやらレ・ミゼラブルが読みづらいと言うのは万国共通の悩みらしいですね。

で、どうだったかというとかつて挫折した私が、
2日間で上巻を読破して感想を書いているということからもわかる通り
かなり読みやすかったです。
ただ、佐藤訳すら完読していないレベルの読者なので正確ではないのですが、
カットした部分と本文の整合性を保つためか、
その辻褄合わせの部分が必ずしもフランス語原文に正確なわけではないような気がします。
またかなり大胆に原文をカットをしているようなので、
ミリエル司教の長々しい人物描写などもばっさり切られていますし、
私の好きなミュージカルの「ヴァルジャンの独白」のアイデアにもなっていると思われる
「夢」の部分も見事に切られており、
あくまで小説の本筋と関係ない部分はカットするという意向のようです。
そこは賛否がわかれそうです。

と、ちょっと否定的な内容を書きましたが、
おそらく完訳版は読者の7,8割(予想)が途中で挫折している気がしますので、
個人的には本書は上記のデメリットより、読みやすさのメリットの方が数段上かなと思っています。
なので先日公開された映画を見て、小説に興味を持たれた方は、

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