木村伊兵衛のパリ ポケット版 の感想

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参照データ

タイトル木村伊兵衛のパリ ポケット版
発売日2014-12-19
製作者木村伊兵衛
販売元朝日新聞出版
JANコード9784023313347
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 画家・写真家・建築家 » 写真家

購入者の感想

普及し始めたばかりのカラーフィルムで60年前に写し止められたパリの街と人の姿が、全く色褪せていない。現像と印刷の技術のことではない。色という点でなら夕日に染まったような赤味がかった色調は、鮮烈な色彩に慣れてしまった眼には、仕舞込まれていたアルバムをたまたま見た時のような「古い」感じだ。しかし、1954年といえばパリの街がドイツ軍の占領から解放されてから10年に満たない時期だというのに、人々は明るくのびのびと生きている。一言でいうとこれが本当の「自由」というものだろうか。それを、モノクロでのスナップの名手であり、今日の日本の写真家が街のスナップを撮るときのお手本であり、そうした写真の歴史の原点というべき木村伊兵衛の手により色彩とともに永遠に遺された。そういう意味では記念碑的作品集だ。

かつてこの写真集の元となった一群の作品が発見され、美術番組や写真の専門誌で話題になった。けれども、直後に出版された写真集は大きくてしかも大そう高価なもので、手が出せるものでなかったから、書店で重たい思いをしながら立ち見するしかなかった。
それが、2014年も押し迫った大晦日の前日、京都一乗寺の恵文社書店を夜遅くにたまたま訪ねたら、棚に「じゃん」という格好で立てかけてあった。「おう」と思って手に取ったら小さいし軽いし、値段を見たら1600円とリーズナブルじゃないか。しかも、発行年月日をみたら、「2014年12月30日」とある。
これは、ひとつの出会いに違いない。そう感じて迷わず買った。

2006年に出版された大型写真集「木村伊兵衛のパリ」に掲載された170点から
78点をセレクトして再構成した写真集です。

「ポケット版」とのことですが、充分に鑑賞に堪えうるサイズと感じました。
実際の1ページの大きさは、左右130mm×天地188mm(実測値)です。
写真に詳しい方には、キャビネ版や2L版よりもやや大きい、
と言ったほうが伝わりやすいでしょうか。

紙質や印刷も上質で、60年前に木村伊兵衛氏が
パリで見つめた光景が色鮮やか再現されています。

2006年の大型版は当時1万5120円。
その価格と本の大きさに購入をためらっていたら、
絶版となり入手困難となってしまいました。

思い切って購入しなかったことを
長年にわたって後悔し続けていたので、
ポケット版、セレクト版とはいえ、
再び発行してくださったことに感謝します。

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