老いへの不安 歳を取りそこねる人たち の感想
参照データ
タイトル | 老いへの不安 歳を取りそこねる人たち |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 春日 武彦 |
販売元 | 朝日新聞出版 |
JANコード | 9784022508522 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門 |
購入者の感想
老いをテーマにした精神科医としての雑文と、著者好みの老いを描いた小説やエッセイの紹介がいい塩梅で混じっていて、ちょっとした年寄りブックガイドになっている。それらの引用文を読んで、「ああ、読んでみたい」と思わせるのは著者の切り口が鮮やかだからだろう。現実に遭遇した精神科の患者のエピソードが挟まれていることがリアリティを保たせながら、そればっかりではなく、他者の文章を引用することで広がりも感じる。そういう意味では後半までこないとしっくりしてはこない。それにしてもよく読んで、自分好みの読書経験を記憶しているものだ。
著者の精神科医としての軸足の本も何冊か読んでいるが、それらもこの本のようなエッセイ的なものも微妙に揺れて冷静ではないところに共振してしまう自分はやはり同年代ということか。彼の言うところの「年寄り」を目指して、いや、目指してはなれないのだ、自然にそうなること。
著者の精神科医としての軸足の本も何冊か読んでいるが、それらもこの本のようなエッセイ的なものも微妙に揺れて冷静ではないところに共振してしまう自分はやはり同年代ということか。彼の言うところの「年寄り」を目指して、いや、目指してはなれないのだ、自然にそうなること。