電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書) の感想

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参照データ

タイトル電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書)
発売日販売日未定
製作者宇田 賢吉
販売元中央公論新社
JANコード9784121019486
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 交通

購入者の感想

国鉄からJR、30年以上鉄道運転一筋で過ごした著者が電車の運転の全てについて書いたのが本書である。
単に運転技術のみならず車体から架線・レールに至るまで電車を動かす全てのシステムについて述べており、この一冊を読めば電車の運転の概略をつかめることは間違いなしである。機械や電気については多少理解が難しいと思わせる部分もあったが、

とにかく電車という存在の特異性に驚いた。
装置産業ともいえる電車は自動車とはかなりの違いがある。電車は移動手段というより大規模なシステムのもっともわかりやすい(もちろん、もっとも重要な部分だが)一部分に過ぎないということだ。
前を見なくても(前が見えない区間もあるが)とも運転できるというのは新鮮な驚きであった。電車それ自体よりも区間を完全に把握する運転手や正確な運行のために整備された各種設備といった周辺の整備があって初めて運行が可能となるということがよくわかった。電車の運行を背後から支える人的・物的なシステムが如何に精緻に構築されているかは本書を読めば自ずから理解できるであろう。

電車とは移動手段として自動車と対比するのではなく、正確無比な作動が求められることから大規模工場や精密機械との対比こそがより適当であろう。ものつくりが得意な日本において世界に冠たる一大鉄道網が構築されたことはある意味当然のことであったのかもしれない。

本書を手に取る人間の大半は鉄道好きであろうが、それ以外の人々にも是非読んでもらいたい書である。

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中央公論新社から発売された宇田 賢吉の電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書)(JAN:9784121019486)の感想と評価
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