ゲーテとトルストイ (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトルゲーテとトルストイ (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者トーマス マン
販売元岩波書店
JANコード9784003243497
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » ドイツ

購入者の感想

マンがゲーテの崇拝者または批判者または片思い者である事は、夙に知れ渡っていますが、この本を読むとドイツ人マンがそれに引き比べて、ロシアの文豪に対してどういう感情をもっていたのががわかります。

一八二八年ドイツに漫遊旅行に来たトルストイがワイマルの中学教師ユーリウス・シュテッツアーの2時間目の教室に突然入ってくる。このギムナジウムの教師はそれを遡る事三十三年前、明るい部屋着を着てオー・ド・コロンの匂いをさせたゲーテに、一六歳の少年時代、エッカーマンの手引きの元、憧れのゲーテ家の庭で胸を震わせて他の少年達と一緒にこの文豪に出会った事があった!

こうした作家本人の両者に対する因縁を、この教師の体験に重ね合わせたような語り起こしから始めて、数々のエピソードがイキイキとまるでその目で見て来たかのように語られ、この随筆を読む者の目を、そしてこの講演を聴く者も耳を魅了したであろう事が知られます。

トルストイの奇想天外な調子はずれな大騒ぎの結末が、舅のベールスと冗談を言って部屋の中を歩き回った挙句、彼の背中に飛び乗った?

このあたりの語り口の絶妙はまさにマンの醍醐味。おもしろいです。是非ご一読をお薦め致します。

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