坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ (岩波現代文庫) の感想
参照データ
タイトル | 坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ (岩波現代文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 坂東 三津五郎 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784006022655 |
カテゴリ | ジャンル別 » アート・建築・デザイン » 日本の伝統文化 » 歌舞伎・文楽・能 |
購入者の感想
平成20年に単行本として発売された書籍を文庫化したものです。
歌舞伎を見始めて少し経った中級者向けの本、と冒頭で書かれている通り、初心者にはむずかしいと思われる内容です。歌舞伎をひと通り見て、演目や役柄を把握し、坂東三津五郎という役者がどんな役者であるかを知らないとハテナを掲げたまま、読み進めることとなります。
しかし昨今の歌舞伎ブームで、世間にはとかく、初心者向け、入門編の本が溢れています。とにかく気軽に見てみろ、敷居はそんなに高くない、そう声高に叫ぶ雑誌の特集ばかりです。
本書はそんな誘いに乗って、まんまと歌舞伎にハマり、毎月見るようになったものの、なんだかイマイチ「通」になれないぞ……もうちょっと詳しく歌舞伎を知るための本はないのかな……という人たちに向けた、親切な一冊です。
歌舞伎役者として、日本舞踊家元としてその芸に対する真摯な姿勢と規範正しい芸風に定評のある坂東三津五郎氏が、直接会って話して下さっているような、"リアル"を感じます。かといって、"その世界"に凝り固まることなく、理論的に、現代人の目線をもって江戸時代から続く芸能を楽しむための工夫やノウハウを教えてくれる語り口はまるで"先生"のようです。
今年の2月に亡くなった坂東三津五郎さん。"生きた教え"の詰まったこの本を、まだ亡くなった悲しみの癒えないうちに読まれることを、おすすめ致します。
歌舞伎を見始めて少し経った中級者向けの本、と冒頭で書かれている通り、初心者にはむずかしいと思われる内容です。歌舞伎をひと通り見て、演目や役柄を把握し、坂東三津五郎という役者がどんな役者であるかを知らないとハテナを掲げたまま、読み進めることとなります。
しかし昨今の歌舞伎ブームで、世間にはとかく、初心者向け、入門編の本が溢れています。とにかく気軽に見てみろ、敷居はそんなに高くない、そう声高に叫ぶ雑誌の特集ばかりです。
本書はそんな誘いに乗って、まんまと歌舞伎にハマり、毎月見るようになったものの、なんだかイマイチ「通」になれないぞ……もうちょっと詳しく歌舞伎を知るための本はないのかな……という人たちに向けた、親切な一冊です。
歌舞伎役者として、日本舞踊家元としてその芸に対する真摯な姿勢と規範正しい芸風に定評のある坂東三津五郎氏が、直接会って話して下さっているような、"リアル"を感じます。かといって、"その世界"に凝り固まることなく、理論的に、現代人の目線をもって江戸時代から続く芸能を楽しむための工夫やノウハウを教えてくれる語り口はまるで"先生"のようです。
今年の2月に亡くなった坂東三津五郎さん。"生きた教え"の詰まったこの本を、まだ亡くなった悲しみの癒えないうちに読まれることを、おすすめ致します。