文学のレッスン (新潮文庫) の感想

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タイトル文学のレッスン (新潮文庫)
発売日2013-09-28
製作者丸谷 才一
販売元新潮社
JANコード9784101169125
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 日本文学研究

購入者の感想

本書は文学の個人講義というべきでしょう.講師はもちろん丸谷才一先生です.先生が勝手に喋るのでなく,湯川豊さんというインタヴィユワーが同席して先生に質問し,それに答えるような形で解説するという仕掛けです.インタヴユアーの素養が問われますが,「あとがき」に彼のことを丸谷先生自身がいつもの旧仮名遣いで次のように紹介しています.

文学的感受性に富み,文学的教養が豊かで,しかも文学の現場に詳しい年少気鋭の友人をインタヴユアーとして得なかったならば,わたしのものの考え方,文学観,文学趣味がこんなにのびのびと語られしかも整然とまとめられることはあり得なかったらう.わたしは終始,インタヴユイーであることのしあはせを味はひつづけた.

丸谷先生は湯川さんに促され奔放自在に文学の大山脈に切り込み,読者を案内します.しかしその語り口は既に「はしがき」冒頭にも明らかなように大家といえども容赦なく両断します.その一方で褒めるときは最大限に賛意を示します.次のように,です.

文学概論ないし文学原論ないし文学総論,まあ呼び方は何でもいいが,とにかくその手の文学についての一般論には関心がなかった.これは少年時代に夏目漱石の『文学論』を手に取ったものの,ちっともおもしろくなかった.--- (中略) --- 吉田健一の『文学概論』には舌を巻く思ひだった.言葉と清新についての考察から文学の各ジャンルへと一気に攻めてゆくエネルギーに圧倒されたのである.

という訳で,本書は文学を次の8ジャンルに仕分けして話しを進めてています.

1.短編小説 もしも雑誌がなかったら
2.長編小説 どこからきてどこへゆくのか
3.伝記・自伝 伝記はなぜイギリスで繁栄したか
4.歴史 物語を読むように歴史を読む
5.批評 学問とエッセイの重なるところ
6.エッセイ 定義に挑戦するもの
7.戯曲 芝居には色気が大事だ
8.詩 詩は酒の肴になる

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