大震災のなかで――私たちは何をすべきか (岩波新書) の感想

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タイトル大震災のなかで――私たちは何をすべきか (岩波新書)
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784004313120
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

大震災のなかで、私たちに何が問いかけられているのか、33人の実践家や研究者、作家などが震災の意味と復興にむけたメッセージを綴った本です。

いろいろな立場や考え方の人たちで綴られたこの本は、様々な角度から震災を考えることができ、特区構想などの上からの「復興」ではなく、被災者の思いと実態に寄り添った復興こそが必要なんだと考えさせられます。

その中でも、編者である内橋克人さんの言葉からは、原発事故により「行方不明者」は、「警戒区域」のなかに囲い込まれ放置された亡骸であり、人災による見放された人々であることが訴えられ、考えさせられます。
また、日本において原発一辺倒になっていた経過をどれだけの国民が認知し、同意していたのだろうかと問いかけられ、「合意なき国策」の危うさを問いかけています。
そして、阪神・淡路大震災のときには、「公的支援」は来ることはなく、災害で生存基盤を失った人たちに対して、自助と自立が求められたことを振り返っています。
最後に、内橋さんは「繰り返す。『一定の環境条件を満たした住居に住む権利は、人間として最も基本的な生存権』と定めた国連人権規約・第11条(「社会権規約」)の遵守を日本政府に厳しく求めつづけなければならない。/それあって初めて個人の連帯、奉仕、善意の意思は真に輝きを増すはずである。」と締めくくっています。

この本は、大震災のなかで国民の生存権を保障する公的責任のあり方を考えながら読むととてもいい本だと思いました。

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