Bootleg Series 11.. [12 inch Analog] の感想

未発表曲13曲。
バージョンちがい12曲。
その他はリマスター。
全38曲。
ジョニーキャッシュやトラディショナル数曲。

トラディショナルをやるときに絶対に外さない、その曲からたっぷりと意味を引き出す、その曲を再創造レ・クリエイトしてしまうところがさすがの魔術師である。

もっと単簡にいうと、「えっ、こんな良い曲が民謡にあるんだっ」と思わせてくれるのがスゴい。

ちょっと考えてみてほしい。いったいディランは何曲のトラディショナルを発掘したんだろう、と。←いや、メンドイ。

さて、「クインディエスキモー」は2000年の傑作二枚組ベストに入っていたバージョンであり、「おおっ、あれって地下室バージョンやったんや。そんならワイト島バージョンはどんなんやろ」と思った。

あと、あのすばらしい「ドアを開けて、ホメロス」を冒頭に置いてるところに昇天、失禁した。

あと、「アイシャルビーリリースト」は、、、ちょっと言葉を失うが、ザ・バンドのバージョンのプロトタイプであり、もちろんそれを上回る出来である。というのも、地球上で最も歌が上手いディランさんが歌ってるから。

その他、未発表のディラン・オリジナルにもいろんな発見があり、とくにアップテンポのものは面白い。

まあ、そんなこんなで、このリリースによりディランの謎が解けたというより、謎がよりふくらんだような、ファンにとっては至福の二時間半である。

「ベートーベンがハイリゲンシュタットで作曲していた未発表曲が数十曲発見されました」的な、地殻変動的、大陸移動説的なリリースである。