イワシの自然誌―「海の米」の生存戦略 (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | イワシの自然誌―「海の米」の生存戦略 (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 平本 紀久雄 |
販売元 | 中央公論社 |
JANコード | 9784121013101 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 海洋学 » 水産学 |
購入者の感想
著者は千葉県水産試験場の研究者としてイワシについて調査してきた人物。「イワシの予報官」の綽名を持ち、今年どこでいつごろイワシが獲れるか、あるいは獲れないかピタリと当ててみせるという。本書では長年の経験を生かし、イワシの豊凶の原因について解説している。
イワシは数十年ごとに豊凶を繰り返すことで知られる。従来は気候や黒潮の流れの変化が原因と考えられていた。しかし平本氏はイワシ自身の生態を要因として取り入れている。産卵場の変化、群れの密度と成長速度の関係などが重要だと述べるのである。単純な環境要因だけでなく生物としてのイワシに注目した点は高く評価されるべきであろうし、説得でもある。ただ本人も認めているように、平本氏の説が必ずしも正しい解答であるというわけではない。説明しきれない部分、矛盾する部分が少なからず残っている。そのあたりの難しさを教えられた。
イワシの数の多さと生存率の低さには驚いた。
イワシは数十年ごとに豊凶を繰り返すことで知られる。従来は気候や黒潮の流れの変化が原因と考えられていた。しかし平本氏はイワシ自身の生態を要因として取り入れている。産卵場の変化、群れの密度と成長速度の関係などが重要だと述べるのである。単純な環境要因だけでなく生物としてのイワシに注目した点は高く評価されるべきであろうし、説得でもある。ただ本人も認めているように、平本氏の説が必ずしも正しい解答であるというわけではない。説明しきれない部分、矛盾する部分が少なからず残っている。そのあたりの難しさを教えられた。
イワシの数の多さと生存率の低さには驚いた。