零式 (ハヤカワ文庫JA) の感想
参照データ
タイトル | 零式 (ハヤカワ文庫JA) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 海猫沢 めろん |
販売元 | 早川書房 |
JANコード | 9784150308773 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » SF・ホラー・ファンタジー |
購入者の感想
興廃的で雑多な街並み、鬱屈とした空気を振り切るようにした駆け抜ける怪物のような二輪。(といえばどうしてもAKIRAを思い浮かべてしまうのですが、いつのまにやら東京五輪も間近となってしまいましたね)
前時代的なレシプロエンジンは存在そのものがパンク。ガソリンを爆発させて駆動するピストンの鳴動は、心臓の鼓動のようで、時として奇妙なほどの色気を放ちます。
テキストも若々しい熱が籠められており、青臭いキャラクター達が足掻く様は何ともロック。
イカれていてイカしたジジイも、ファンタジーもかくやというほどブッチギリのKATANA(バイクじゃないですヨ(笑))の達人で、良い意味でライトノベル的な娯楽性がありました。
昨今、少し読書から離れてしまっていたところ、久しぶりにフレッシュなSFに出会うことが出来て、個人的には非常に満足しています。
前時代的なレシプロエンジンは存在そのものがパンク。ガソリンを爆発させて駆動するピストンの鳴動は、心臓の鼓動のようで、時として奇妙なほどの色気を放ちます。
テキストも若々しい熱が籠められており、青臭いキャラクター達が足掻く様は何ともロック。
イカれていてイカしたジジイも、ファンタジーもかくやというほどブッチギリのKATANA(バイクじゃないですヨ(笑))の達人で、良い意味でライトノベル的な娯楽性がありました。
昨今、少し読書から離れてしまっていたところ、久しぶりにフレッシュなSFに出会うことが出来て、個人的には非常に満足しています。
今現在、全国書店でフェア実施中の
「次世代型作家のリアルフィクション」シリーズ(?)
の最新作です
陰鬱で退廃的な閉鎖世界の中でもがく少女達や、過去の幻影や
古びた思想、主義にとりつかれた大人達の姿が描かれます。
圧巻はラスト50ページの血飛沫の舞う戦場が目に浮かぶような
老兵の大立ち回りと、モンスターマシンの振動や駆動音、息遣い
まで感じられそうな少女たちの「壁」に向かっての特攻です。
あと、ラストにはちょっとした秘密も明かされます。
幅広い層に薦められる作品とはお世辞にも言えませんが、
文章のテンポがよく、サクサク読み進められるリーダビリティに加え、
文庫本一冊の読み切りという分量も丁度いいと思います。
このような作品がコンスタントに刊行されるようなら、
「リアルフィクション」は小説界でも確固たる地位を占める存在に
なりうるのではないでしょうか。
昨今の、いわゆるライトノベルにどこか食い足りなさを
感じている人に特にお薦めします。
「次世代型作家のリアルフィクション」シリーズ(?)
の最新作です
陰鬱で退廃的な閉鎖世界の中でもがく少女達や、過去の幻影や
古びた思想、主義にとりつかれた大人達の姿が描かれます。
圧巻はラスト50ページの血飛沫の舞う戦場が目に浮かぶような
老兵の大立ち回りと、モンスターマシンの振動や駆動音、息遣い
まで感じられそうな少女たちの「壁」に向かっての特攻です。
あと、ラストにはちょっとした秘密も明かされます。
幅広い層に薦められる作品とはお世辞にも言えませんが、
文章のテンポがよく、サクサク読み進められるリーダビリティに加え、
文庫本一冊の読み切りという分量も丁度いいと思います。
このような作品がコンスタントに刊行されるようなら、
「リアルフィクション」は小説界でも確固たる地位を占める存在に
なりうるのではないでしょうか。
昨今の、いわゆるライトノベルにどこか食い足りなさを
感じている人に特にお薦めします。