オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2: ケネディと世界存亡の危機 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) の感想

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タイトルオリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2: ケネディと世界存亡の危機 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
発売日販売日未定
製作者オリバー・ ストーン
販売元早川書房
JANコード9784150504403
カテゴリ » ジャンル別 » 社会・政治 » 外交・国際関係

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人類史上、最も破滅的な兵器『原爆』が戦争に使用された後、アメリカ国民が真っ先に感じた感情は何であったか。
灰燼と帰した広島・長崎に自分たちの未来を見て取ったのか、それは『奇妙な憂い』であり、『滅亡に対する原初の不安』であったと、歴史学者ポール・ボイヤーは言います。
1945年8月12日には、CBSのエドワード・R・マロー記者が、「勝者がこれほどおぼつかない不安な気持ちを覚え、将来が不透明で自分たちの生存も不確実だと気づく。そんな終わり方をする戦争はこれまでほとんどなかった。皆無だったかもしれない」と述べました。

本書は、どちらかの政治的イデオロギーに迎合するといったことは極力避けており(あえて言えば、平和主義と人道的観点から語っている)、時間軸に沿った冷戦期を、在るがまま詳細に解説しております。その為、他の歴史論説との整合性や考察を図る場面においても、お役立ちの一冊です。また、オリバーストーンが語るもうひとつのアメリカ史の第2巻目なので、JFKが表紙になっています。収録項目は冷戦期の真っ只中、第五章の『冷戦 はじめたのは誰か?』から第九章の『ニクソンとキッシンジャー 狂人とサイコパス』までを載せています。山場となるのは、第七章の『JFK 人類史上、最も危険な瞬間』と言えるでしょう。
ジョン・F・ケネディ大統領の前任者、ドワイト・D・アイゼンハワーが大統領の任期中に残した危険極まりない遺産の数々。歩み寄りを見せるソ連に応えず、多用される核威嚇。大量報復力を背景にしたニュールック政策の採用。中ソ徹底破壊を目指す狂気の単一統合作戦計画SIOP。ダレス長官とその一族が、アメリカ帝国の設計者となり、CIAはソ連と隣接する第三世界にアメリカの傀儡政権を誕生させる。恐れを知らないのか狂気に囚われていたのか、アメリカ合衆国は地獄の門をノックし続け、やがて米ソ両国は一触即発の核戦争秒読み段階に入ります。

オリバーストーン監督の描いたアメリカの裏面史です。ケネディ大統領の政治や、キューバ危機、ベトナム戦争の舞台裏が描かれています。CIAの陰謀や軍部の暴走もあります。アメリカも戦前の日本と同じようなことをしていたのだなと知りました。このシリーズでは、ソ連が私たちが知らされていたよりは、平和的で、民主的な描かれ方をしているようです。むしろ、自由や民主主義を標ぼうしながら、陰で、抑圧的な政治をしてきたのがアメリカという史観のようです。アメリカを再考していくのに、とても参考になる本だと思います。とても面白い本です。

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早川書房から発売されたオリバー・ ストーンのオリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2: ケネディと世界存亡の危機 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)(JAN:9784150504403)の感想と評価
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