英会話不要論 (文春新書) の感想

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参照データ

タイトル英会話不要論 (文春新書)
発売日販売日未定
製作者行方 昭夫
販売元文藝春秋
JANコード9784166609963
カテゴリジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » 英語 » 英会話

購入者の感想

 書店で見つけて、帰りのバス内で読み出し、今一気に読み終えた。英会話についての宣伝が怪しいと日頃からにらんでいたのが、正しかったと分かり、爽やかな気分になった。
 「国際化の時代に英会話が出来なくては!」という周囲のやかましい声を聞き、でも自分は英会話は苦手だと思っている人たちへの、素晴らしい贈物である。グローバル人材養成のために、従来の誤った英語教育を修正しようと政界も財界も文科省も躍起になっている現在なのに、英会話が出来なくても恥ずかしくないし、今のままの教育法にも価値がある、と教えてくれた。
 「東大名物教授が[英語の常識]を一刀両断!」という、派手な帯の文句にも拘わらず、地味なまっとうな本である。著者は親しみやすい口調で、英語と英語教育について多くの人が抱く疑問に、親身になって答えてくれる。
 「アメリカの赤ちゃんが文法知らずに喋っているのを真似したい」、「昔の英語教育は役立たなかった」、「よい教材で学べば、聞いているだけで喋れるようになる」、「小学校で英語を教えれば、早期教育の効果が大きい」、「文法と訳読の教え方は役立たず」、「受験英語は英語学習の敵」、「帰国子女は英語がペラペラで羨ましい」、「大学センター試験でのリスニング導入で会話力が飛躍的に向上」、「漱石はロンドンで会話が出来なくてノイローゼになった」、「相撲取りが日本語をモノにした方法を真似したい」、「オリンピックで来日する観光客のために英語が喋れねば」 ー これらが、いずれも大間違い、大嘘、勘違い、だというのだ。
 一流の専門家なのに、少しも気取らず、いつも読者と同じ視線で問題を考える著者の誠実さ、親切さを私は快く感じた。身近な経験や興味深い挿話をまじえて、平易な言葉で書かれている。
 どうして日本人が英語を喋れないか、その根本的な理由を、誰もが納得せざるをえないように、丁寧に説明する。そして、本気で英語をモノにしようとするなら、死に物狂いで勉強しなくてはならないと説く。そこまでの覚悟がないのに、ただ漫然と英会話が出来ると格好がいいから、というので宣伝に踊らされて、勉強を始めるのは、ムダだと主張する。

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