カルメン/トリスタンとイゾルデ/サムソンとデリラ (中公文庫―マンガ名作オペラ) の感想

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参照データ

タイトルカルメン/トリスタンとイゾルデ/サムソンとデリラ (中公文庫―マンガ名作オペラ)
発売日販売日未定
製作者里中 満智子
販売元中央公論新社
JANコード9784122047938
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

 今や日本マンガ界の重鎮(?)となった里中満智子さんが、日本人に特によく知られた名作オペラをマンガ化したシリーズ(の文庫版)です。
 私自身は、里中先生の熱心なファンというわけでもなく、かと言って特に否定的な気持ちもなく、本当に単純にオペラのマンガ化作品としてどうか?という観点でレビューを書いてみます。

 「カルメン」、「トリスタンとイゾルデ」、「サムソンとデリラ」の3作品が収められていますが、読後の正直な感想は「物足りない、不完全燃焼・・・!」という感じでした。「カルメン」は、まあ及第点という印象なのですが、自由奔放で、男を虜にする「魔性の女」・カルメンのイメージが日本で定着しているだけに、描きやすかったということもあるでしょう。

 個人的に一番残念だったのは「トリスタンとイゾルデ」です。このワーグナーの傑作オペラ(正しくは「楽劇」)を本気でマンガ化しようとしたら、半端ない覚悟が必要なのだと改めて思います。
  ストーリーやセリフは、オペラの台本に一応忠実に描かれているし、衣装や小道具、背景なども先生なりに工夫して描かれたとは思うのだけれど、肝心の登場人物の表情がどの場面でも一本調子に感じられ、この壮大な悲恋物語の根幹とも言うべき「恋愛のエクスタシー」が伝わってこない・・・。実際、このオペラがもたらす高揚感、激情、死のカタルシス、そういったものをマンガで表すのは、とても難しいと思います。

 もともと「天上の虹」などで拝見する里中先生の絵は、キャラ達の表情がいま一つ単調、変化に乏しい、という印象は個人的に持っていたのですが・・・。また、さらに言えば、イゾルデが「絶世の美女」には見えず、トリスタンも、イケメンには描かれてるけれど「高貴な勇士」という雰囲気が出せていないと感じます。普通のイケメンの若者、という感じ? イゾルデの夫になるマルケ王も、老王としての威厳が感じられない・・・。私自身、この作品がオペラの中で一番好きで思い入れが強いから、色々思ってしまうのかもしれません。(同シリーズの他の作品も読んでみたら、また違う感想があるでしょうが)

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中央公論新社から発売された里中 満智子のカルメン/トリスタンとイゾルデ/サムソンとデリラ (中公文庫―マンガ名作オペラ)(JAN:9784122047938)の感想と評価
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