トゥーランドット 蝶々夫人 ラ・ボエーム (中公文庫―マンガ名作オペラ) の感想

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参照データ

タイトルトゥーランドット 蝶々夫人 ラ・ボエーム (中公文庫―マンガ名作オペラ)
発売日販売日未定
製作者里中 満智子
販売元中央公論新社
JANコード9784122048034
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

私はオペラファンで、この商品で扱うプッチーニの代表的なオペラのストーリーも知っていますが、昔よく読んでいた里中先生の作品として読みたくて購入しました。

画力はもちろん、画面構成、ストーリー展開とも見事です。周囲の状況や登場人物の表情は、むしろオペラを観るよりも分かりやすいと感じる部分が多いです。何度も観ているのに新鮮に感じました。

蝶々夫人では、蝶々さんやピンカートンが実際のオペラで見るよりも美しい容姿に描かれるのは、美男美女をお得意とする先生の画風から想像できましたが、想像以上でした。むしろ、私が注目したのは、それ以外の役柄の人物描写が優れていたことです。特に女中の鈴木の表情の変化がすばらしい。

プッチーニの遺作トゥーランドットでは、トゥーランドット姫やカラフ王子よりも女奴隷のリュウをどう表現されているかに興味がありました。プッチーニが追加した役柄であり、自己犠牲の気高い心を持った彼女こそ真のヒロインです。何度も観ているのに、不覚にも涙が溢れました。リュウの死までがプッチーニが実際に書き上げたものであり、残された資料をもとに未完部分が完成させられたことはあまりにも有名です。

ラ・ボエームはホームドラマのようなオペラです。伏線どおりヒロインのミミが悲しい結末を迎えますが、最初傲慢で奔放な印象のムゼッタが実は心優しい女性だったことが分かる場面でほっこりとします。

オペラでの全ての場面を網羅しているわけではありませんが(短くしてストーリー展開を分かりやすくするためだと思います)、初めて当該オペラを観られる方には、一推しの商品です。
このマンガを読んであらすじをイメージとして脳裏に焼き付けてから対訳に目を通されると、オペラの流れがすんなり理解できるでことでしょう。
また、何度もオペラを観られた方、オペラに興味がない方でも十分楽しめる作品と思います。

当該オペラで歌われるアリアについては、この作品のなかで短い台詞で表現しているのもありますが、全く出てこない物もありますので、少し注釈しておきます。

里中満智子さんはもう昔から有名ですが Men である私は作品を読んだ記憶がありません。
なので悪い意味でいかにも少女漫画タッチの作品なのでは?と勝手に思っていましたが
とんでもない!
確かに男性の作家に比べれば線は細いですが重心がしっかりしていて、そう!たとえて言うならイチロー!?のシャープな
バッティングのような「画力」がありオペラ作品を描くにはピッタリな方だと思いました。

さすがです・・・

3作とも先生自身の解釈や考証なども入っているのでしょうか?
これを読んだ後にDVDを見ても私の好みとしてはこちらの方が美しく、悲しく、原作をより
昇華してしまった感じがします。

これからDVDをご覧になる方。もうDVDは見てストーリーも知っていると言う方の
どちらが読んでも楽しめる、おとなが感動できる「名作」漫画本です。

また機会があれば新しい作品にもチャレンジをぜひお願い致します!

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