実測!ニッポンの地域力 の感想
参照データ
タイトル | 実測!ニッポンの地域力 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 藻谷 浩介 |
販売元 | 日本経済新聞出版社 |
JANコード | 9784532352622 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
この著者は、「国や地域の動向を把握する際には、出生率・高齢化率などの率よりも、人口の絶対数が重要である」という極めて明快な主張をしている。
人口ピラミッドから地域経済の盛衰を解き明かそうとしており、分析手法は緻密とは言えないが、実に単純で分かりやすく、面白かったのは事実である。
例えば、20〜59歳の人口の増減、小売業の坪効率と売場面積の関係などから、地域経済の状況を上手く説明している点は興味深かった。
また、実際に見てきた各都市圏の実情も説明しているので、統計だけでは知ることができない裏事情も分かり、大変参考になった。
ただ、評価が3つ星なのは、著者は強い口調で「常識」を批判しているが、その批判が的外れな点が多いからだ。
例えば、「出生率」ばかりが注目されている現状を、「出生率が低下しなくても、人口ピラミッドの構造から「出生数」は減少する」
ことを理由に批判しているが、過去の積み上がりである人口ピラミッドは、現在ではどうにも変えようがないから、為政者等は出生率に注目するのではないか?
また、「地域間格差はない」と主張しておいて、「高齢化に関して首都圏と島根県の地域間格差は時間差に過ぎない」と述べており、現時点における地域間格差の存在を自分で認めている。
著者が本書で言わんとするところは概ね納得できる内容である。しかし、彼の「常識」に対する批判の多くは、自家撞着に陥っているか、
著者が俗説になっていると思っている「常識」自体が、「本当にそんなこと世間で言われているの?」と疑問符が付いてしまう「常識」なのである。
また、批判の口調が極めて辛辣、攻撃的で、不愉快な気持ちにさせられる。
細かい話だが、第一刷の図表には、些細な間違いが散見される点に留意が必要だ。
人口ピラミッドから地域経済の盛衰を解き明かそうとしており、分析手法は緻密とは言えないが、実に単純で分かりやすく、面白かったのは事実である。
例えば、20〜59歳の人口の増減、小売業の坪効率と売場面積の関係などから、地域経済の状況を上手く説明している点は興味深かった。
また、実際に見てきた各都市圏の実情も説明しているので、統計だけでは知ることができない裏事情も分かり、大変参考になった。
ただ、評価が3つ星なのは、著者は強い口調で「常識」を批判しているが、その批判が的外れな点が多いからだ。
例えば、「出生率」ばかりが注目されている現状を、「出生率が低下しなくても、人口ピラミッドの構造から「出生数」は減少する」
ことを理由に批判しているが、過去の積み上がりである人口ピラミッドは、現在ではどうにも変えようがないから、為政者等は出生率に注目するのではないか?
また、「地域間格差はない」と主張しておいて、「高齢化に関して首都圏と島根県の地域間格差は時間差に過ぎない」と述べており、現時点における地域間格差の存在を自分で認めている。
著者が本書で言わんとするところは概ね納得できる内容である。しかし、彼の「常識」に対する批判の多くは、自家撞着に陥っているか、
著者が俗説になっていると思っている「常識」自体が、「本当にそんなこと世間で言われているの?」と疑問符が付いてしまう「常識」なのである。
また、批判の口調が極めて辛辣、攻撃的で、不愉快な気持ちにさせられる。
細かい話だが、第一刷の図表には、些細な間違いが散見される点に留意が必要だ。