ヤクザ式 一瞬で「スゴい! 」と思わせる人望術 (光文社新書) の感想

ヤクザの人心掌握術は、それを商売にしているだけあって凄い。
実際、新宿等の盛り場などでヤクザの会話を耳にすると「大物だ」とか「スケール大きい」などと思うことしばしば。
本書は、ヤクザの常套句などを紹介し一瞬でスゴいと思わせる術がたくさん記してある。
読みものとしてはとても面白かった一方、果たしてビジネスシーンなどで応用できるか考えると疑問である。
というのも、ヤクザ特有の価値観（情に厚いなど）を持つ若者なら組長が発する言葉に感動するであろうと思われる言葉でも、一般社会の若者には通じない気がしたためだ。
普段馴染みのない世界の内容のため、楽しむことはできるが、これを活かして人望を高めるには無理がありそうである。

まえがきで記されているとおり、
すごいと思わせる自己演出ということがこの本の主旨のようである。

非常に大きくまとめるならば、押さえるところはしっかり押さえ、
その上で、思わず心に入り込んでしまうような意外性も持ち合わせるということが、
この本から得られることだと感じた。

各事例は、著者のライターとして体感した経験が様々記されていて、面白い。
日常生活に十分有り得る場面もあったりで、参考になると感じた。