いまこそアダム・スミスの話をしよう~目指すべき幸福と道徳と経済学~ の感想
参照データ
タイトル | いまこそアダム・スミスの話をしよう~目指すべき幸福と道徳と経済学~ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 木暮太一 |
販売元 | マトマ出版 |
JANコード | 9784904934043 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済思想・経済学説 |
購入者の感想
アダム・スミスについて、初心者にも分かるように親切に解説した入門書。スミスを理解する時に、いつも問題になるのは、『道徳感情論』(1759年) の倫理学と『国富論』(1776年) の経済学を、どのように関連付けて捉えるかという点。本書の場合は、スミスの倫理学と経済学は、人間が幸福になるための学問であると論じている。スミスの言う幸福とは、心が平穏な状態であり、倫理学は人間が心の良心に従って正しく生きる賢者になり、平穏な心を得るための学問、経済学は必要最低限の富を生み、失業をなくし、やはり心の平穏を達成するための学問と理解して、両者をうまくつなげて解説している。各章の最後に付けられた「現代へのメッセージ」が、スミスを理解する上で役に立つだけでなく、著者がなぜスミスを重要と考えているかを伝えていて、読み応えがある。著者は学生時代から、経済学の入門書を多く書いている作家で、分かりやすさの点では、専門の研究者はとてもかなわない。経済学史に関心のある全ての読者に、自信を持ってお薦めしたい。