ものの言いかた西東 (岩波新書) の感想

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タイトルものの言いかた西東 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者小林 隆
販売元岩波書店
JANコード9784004314967
カテゴリ人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究

購入者の感想

本書のコンセプトは、このページの上の「商品の説明」に良く表されている。即ち「ただの個性と思われがちなものの言い方にも、実は意外な地域差があった…… 最先端の研究成果を用い……具体的なデータをもとに、ものの言い方の地域差と、それを生み出す社会的背景を明らかにする」ものである。右にあるように主として、著者らの統計分析(フィールド・ワーク及び他者の調査データなど)に依って、言葉ではなくて、“ものの言い方・表現法”という「言語活動」(6〜7頁)、ないしかかる言語活動に関する志向・好みを表象する「言語的発想法」(163〜164頁)について、日本の地域差、トピックとしては主に東北地方と関西地方の相違、特徴、要因などを考察する。統計的手法を駆使し図表などを多用して非常に実証的で興味深くコンセプトもユニークな考察であるのだが、私見ながら一部の統計データ(適示や扱い)に疑問が残るところがあり後述する。

構成・内容は序章で本書の趣旨説明など、終章で総論及び「言語的発想法」と「方言」に観る「文化」や価値観などの多様性を概括する。各論では(1)口に出すか出さないかーー無口やおしゃべり、挨拶の有無などの地域差など、(2)決まった言い方をするかしないかーー挨拶・言い掛かり表現などの定型性ほか、(3)細かく言い分けるかどうかーー「どうも」、「おはよう」の地域性など、(4)間接的に言うか直接的に言うかーー地域による子守唄表現の相反性、オノマトペの使用頻度と種類ほか、(5)客観的に話すか主観的に話すかーー喜び・驚きの表現に観る主体の相違、話し手の分化(客観的表現)など、(6)言葉で相手を気遣うかどうかーー敬語の地域差、感謝表現の対象と有無ほか、(7)会話を作るか作らないかーーボケとツッコミの地域性、会話に観る協調性の有無補ほか、(8)ものの言い方の発想法ーー1〜7章までの考察に関する7個のテーマの総括など、(9)発想法の背景を読み解くーー発想法の地域差・地域性(東西乖離)の要因、社会環境・経済・交通事情、人口密度の歴史的変遷との関連など、(10)発想法はどのように生まれ、発達するかーー言語的発想法の地域性と文化の変遷の総括、「方言」形成との関連など、以上の(短めの)10章で各論が構成されている。

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