浮き草デイズ 1 (1) の感想
参照データ
タイトル | 浮き草デイズ 1 (1) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | たかぎ なおこ |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784163702308 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » イラスト集・オフィシャルブック |
購入者の感想
コミック・エッセイの第一人者である筆者がイラストレーターを志して三重から東京に上京してからの日々を描いた作品。
出版が他作とは異なる(メディアファクトリーではなく、なんと文芸春秋)ことと本のサイズが通常のA5(他作はA5変形)となっており微妙に印象も違っております。
「成功者」が駆け出しだった頃を回想する形式ではありますが嫌みのない絵柄で苦労した日々が詳細に描かれております。
具体的にはイラストレーターとして中々チャンスに恵まれずに生活に追われてアルバイトに明け暮れる日々が中心となっております。
どちらかと言えば地味で不器用な(失礼!)一人の女性が都会での一人暮らしを通じて少しづつ社会に馴染みながら夢を追い続ける姿が共感を呼ぶものになっていると思います。
作者の性格と絵柄の持ち味によるのでしょうが苦労した内容なども暗くなり過ぎず、かと言って必要以上に美化してもおらず読み物として非常にバランスがとれたものに。
この辺りのバランス感覚はさすがに何本もコミックエッセイを送り出しているプロだなぁと言う気がします。
興味深いのは本作が完全に「マンガ」の形式になっていること。
これまでのエッセイとは異なり、ほぼ全ページでコマ割がきちんとされていて枠外に「エッセイ部」が一切ハミ出てこないこと(改ページ部の”おまけ”は除く)。
様々なアルバイトでの悲喜こもごもの全てが描かれた作者の表情や吹き出しで表現されていてその意味では完全に「マンガ」なのです。
にもかかわらず読み終わってみればやはりこれはエッセイだなぁと感じました。
それは作者が感じたあれやこれやが只だらだらと盛り込まれているのではなく、ちゃんと対象化されているからですね。
過去を振り返りつつそれを冷静に客観視する作業が行われているからです。
その上でエピソード毎にきちんと構成が考えられているので読み手に余計な「押し付け」がなくて
それが読みやすさと共感に結びついているという気がします。
やっぱり巧いですね。
出版が他作とは異なる(メディアファクトリーではなく、なんと文芸春秋)ことと本のサイズが通常のA5(他作はA5変形)となっており微妙に印象も違っております。
「成功者」が駆け出しだった頃を回想する形式ではありますが嫌みのない絵柄で苦労した日々が詳細に描かれております。
具体的にはイラストレーターとして中々チャンスに恵まれずに生活に追われてアルバイトに明け暮れる日々が中心となっております。
どちらかと言えば地味で不器用な(失礼!)一人の女性が都会での一人暮らしを通じて少しづつ社会に馴染みながら夢を追い続ける姿が共感を呼ぶものになっていると思います。
作者の性格と絵柄の持ち味によるのでしょうが苦労した内容なども暗くなり過ぎず、かと言って必要以上に美化してもおらず読み物として非常にバランスがとれたものに。
この辺りのバランス感覚はさすがに何本もコミックエッセイを送り出しているプロだなぁと言う気がします。
興味深いのは本作が完全に「マンガ」の形式になっていること。
これまでのエッセイとは異なり、ほぼ全ページでコマ割がきちんとされていて枠外に「エッセイ部」が一切ハミ出てこないこと(改ページ部の”おまけ”は除く)。
様々なアルバイトでの悲喜こもごもの全てが描かれた作者の表情や吹き出しで表現されていてその意味では完全に「マンガ」なのです。
にもかかわらず読み終わってみればやはりこれはエッセイだなぁと感じました。
それは作者が感じたあれやこれやが只だらだらと盛り込まれているのではなく、ちゃんと対象化されているからですね。
過去を振り返りつつそれを冷静に客観視する作業が行われているからです。
その上でエピソード毎にきちんと構成が考えられているので読み手に余計な「押し付け」がなくて
それが読みやすさと共感に結びついているという気がします。
やっぱり巧いですね。