三陸海岸大津波 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル三陸海岸大津波 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者吉村 昭
販売元文藝春秋
JANコード9784167169404
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

先の3月11日の、震災・津波は、インターネット・YouTube等で見られます。津波1ヶ月後に、電車途切れていて連絡バスで、石巻駅前に知人を訪ねた頃の街並みが、過去から幾度と津波被害を繰り返されていたものだった事を知り勉強になりました。当時の個人の行動、行政の行動、連絡網等、日本人として熱くなるものがあります。ありがとうございました。

2011年3月16日 記す.
吉村昭の大ファンだったので、この本も読んでいた.
今回の地震、大津波が起きた時、すぐに脳裏に浮かんだのがこの本だった.この本の冒頭に明治29年におきた三陸海岸を中心とした地震、津波による被災地の地図が掲載されている.今回の被災地と重なる、全く同じと言っても過言では無い.明治29年の津波でも二万人以上が亡くなっている.今も悲惨であるが、今よりも、もっと悲惨である事がこの本でわかる.

 明治29年の被災地と、福島の原子力発電所の場所とは多少違う.しかし、三陸のそばである事は間違いない.
福島の原子力発電所を建設するとき、この本を読んで(そして、この本の元になった資料を本格的に調べて)、注意を喚起した人はいなかったのだろうか.想定外の津波と、東電、保安院の方々は言うが、この本を読めば、その発言が間違っている事、認識不足である事は間違いないと思う.
 この本で著者は当時に記録されていた事を、掘り起こし、丁寧に調べ、わかりやすく記している.吉村昭文学の真骨頂である.
 この本の元本が刊行された当時(1970年)、明治29年の津波を実際に体験した古老が二人生存(最後のタイミングであった)しており、その方々からも話を聞いている.古老の話によると、津波は50mにも達したと言っている.
 この本を5年前に読んだ時、三陸に住むのは怖いと思った.また、三陸というのは、津波が生じやすい,世界でもとてもまれな土地である事が解る..こういう特殊な場所に住むのが、たった1度の人生にとって良いかどうか.わからない.三陸の美しさ、海の幸のおいしさは格別であるから余計に思いは複雑である.この事は、どう考えたらいいかわからない.100年、1000年に1回ではない事も、この本を読んでわかる.明治以降では明治29年、昭和8年、そして昭和35年の3回は大津波が起きているのである.その他にも、古文書を調べると、三陸で起きた大津波が10数回あると著者は例を挙げて記している.

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