武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書) の感想

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タイトル武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者伊勢崎 賢治
販売元講談社
JANコード9784061497672
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 国際政治情勢

購入者の感想

筆者は自らのことを紛争屋と呼ぶ。彼の専門は復興期のDDR(Disarmament、Demobilization&Reintegration

:武装解除、動員解除、社会再統合)であり、本書の中では東ティモールやシエラレオネ、そしてアフガニスタンでの経験が語られる。

そこにあるのは圧倒的な現実である。

政治家にロビーをし、丸腰で正規軍や軍閥と向き合い、各勢力とのネゴシエーションを経てようやく始まるDDR。

復興というとバラ色なイメージがあるが、脆弱な治安の中で「武器を手放させる」ことがどれだけの緊張感を伴うかが、

本書を読むとひしひしと伝わってくる。

そして筆者は紛争に対する日本の姿勢にも警鐘を鳴らし続ける。

自衛隊の海外派兵の仕方を批判する。日本でしか通用しない神学論争はもうやめろと言う。

そして憲法前文と9条が主張する理想を変えなくとも、DDRの中にこそ日本にできることはあるのだと声高に主張する。

憲法9条改正論議で「普通の国」とか「目に見える国際協力を」とか言う自称現実的な人たちにぜひ読んでほしい。

同時に自衛隊をどう使うか考えてこなかった護憲派の方々にも、一読していただきたい。

もちろん国際協力の分野で知り合ったたくさんの友人たちにも。

本書の意見に賛成であれ反対であれ、こういう意見が今までの日本の議論の中になかったことはゆるぎない事実であろう。

最後に、昨年受講していた講義に筆者がゲストとしてやってきた。

そのときこんな質問をしてみた。

「なぜそれだけ仕事に命を懸けられるのか?」

返ってきた答えは

「妻に常にかっこいいと思われていたいから」

なるほど、そういう動機もありである。

むしろそれくらい「普通に」国際協力を仕事とできる世の中が来るべきなのだ。

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