週刊ダイヤモンド 2014年6/21号 ［雑誌］ の感想

　「週刊ダイヤモンド」は1913年に「経済雑誌ダイヤモンド」として発刊以来、約100年に渡り業界の各種情報やデータを図版やチャートを多
用して提供する情報誌です。
　これまで、毎号、様々なテーマによる特集が組まれていますが、今週号の表紙には、アッ！と驚く「自衛隊と軍事ビジネスの秘密」の文字
が、さらに「本邦初！自衛官天下り先 トップ20大公開」との刺激的な文字が躍ります。

　テーマがテーマですから、その内容が保守的かと言うと、全くそのような片鱗はなく、極めてニュートラルな立場でデータと図表を駆使したう
えで、「知られざる22万人の巨大組織と2兆円産業を全解明」とのサブタイトルの下に、この業界の全貌を見事なまでに明快な切り口で解説
しています。
　巻末のFrom Editorsでは、「〜メディアの大きな役割の一つは権力の監視であり、特定秘密保護法の成立、武器輸出解禁、集団的自衛権
議論など、きな臭い今だからこそ、経済メディアにおいてもしかりである〜」と、編集長の田中博氏は書かれています。

　特集「自衛隊と軍事ビジネスの秘密」を見ていくと、「（Prologue）武器輸出解禁の衝撃」では、本年４月１日に政府が38年振りに武器輸出
三原則を見直したのに伴う東南アジア等を中心とする世界各国からの武器輸出の引き合い状況を、「（Mission１ 激変する防衛産業を解明せよ
）日本の軍事ビジネス」では、表とグラフにより「知られざるニッポンの軍事産業」として三菱重工業、三菱電機、川崎重工業等の「日本の軍需
企業ビッグ10を徹底解明せよ」や昨年８月に発表された「防衛省改革の方向性」の中で提言される「防衛装備庁（仮称）」の創設等について触れ、
「（Mission ２ 22万人の巨大組織を解剖せよ）自衛隊の秘密」では、階級・役職等の月収表、幹部自衛官過酷な出世レースの全幕の図解、
自衛隊の天下り全解剖では階級別引退年齢と高級幹部、士官・下士官、海自、空自毎の天下り先一覧（下士官クラスは物流の運輸業、警備
会社が上位）が、また、中国や北朝鮮諜報員による「ハニートラップからSNSまで