図説|ウィリアム・モリス―ヴィクトリア朝を越えた巨人 (ふくろうの本) の感想

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参照データ

タイトル図説|ウィリアム・モリス―ヴィクトリア朝を越えた巨人 (ふくろうの本)
発売日販売日未定
製作者ダーリング・ブルース
販売元河出書房新社
JANコード9784309761138
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

モリスをご存知の方が本書を手に取るように思いますが、私は全くその存在を知らずに来たのですが、副題の「ヴィクトリア朝を越えた巨人」というフレーズが気にかかり本書を読みました。

多方面で様々な素晴らしい業績を残した人なのですね。父の遺産を継いだ実業家であり、デザイナーであり、詩人であり、社会主義活動家であり、環境保護論者でもありました。
そのめざす世界は、21世紀にも繋がる考えでエコロジーでもあり、自然主義でもあり、貧しい人々の幸福を考える福祉国家的な考えもまた持ち合わせた知の巨人でありました。

イギリスの発展と言えば、産業革命以降のヴィクトリア朝ですが、その時代にあって、世の発展の中で忘れ去られる物への愛情は様々なモノや人へと関心が向ったのを良く分かりました。
精神的には極めて中世的な家を建てて住み、デザイナーのモリスとしては美しく心地よい空間を作り出すために、ステンドグラスや様々な文様をもつ壁紙を世に出しました。タピストリーのデザインの美しさは現代でも通用するほどでした。

古建造物の保護と環境保存、という章がありましたが、まるで現在の視点であり、その歩みがあったればこそ現代における歴史的な保存という考え方が生まれたのでしょう。産業革命へのアンチテーゼとしての社会主義もまた、時代の行き過ぎをただすのに必要な考え方ですし、マルクスとは一線を画した考え方もまた当然だったと思います。

あらゆるジャンルに偉大な功績を残したせいか、62歳という早い旅立ちを迎えたわけですが、その足跡は、今の時代に再び辿る必要がある先駆的なものだというのを感じました。

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