蟲師(7) アフタヌーンKC (404) の感想
参照データ
タイトル | 蟲師(7) アフタヌーンKC (404) |
発売日 | 2012-09-28 |
製作者 | 漆原友紀 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL |
購入者の感想
作中に主人公ギンコの「ここは桃源郷か」というセリフがあるのだが、この作品全体が桃源郷。
蟲の被害者など、登場人物は、解脱したんじゃないかとも思えるほど無欲。
たとえば金銭欲に関して。
ギンコが紙巻きタバコを愛用しているから、維新後の時代設定の
はずだが、貨幣経済からほとんど切り離されている。
作中に現金すらほとんど出てこない。
愛憎についても、描かれるのは家族愛とかで、
不倫だとか嫉妬だとか倒錯だとか、俗っぽいところが出てこない。
蟲にやられた病人やその家族が望むことは、蟲に関わってしまう以前への原状回復のみ。
蟲を積極的に利用しようとする人も、望むことは家族や村の平穏な日常が継続することだけ。
物語を構成するのに、取り入れたくなる俗な要素を、作者が禁欲的な態度で排除しているのである。
作者のマンガ作りの志は尊敬に値する。
こんな無謀な制約のもとで連作が長期に続いているのは、ものすごいことだ。
このストイックさ、美しさ。
この本は日本マンガ界の頂点に達したのではないだろうか。
蟲の被害者など、登場人物は、解脱したんじゃないかとも思えるほど無欲。
たとえば金銭欲に関して。
ギンコが紙巻きタバコを愛用しているから、維新後の時代設定の
はずだが、貨幣経済からほとんど切り離されている。
作中に現金すらほとんど出てこない。
愛憎についても、描かれるのは家族愛とかで、
不倫だとか嫉妬だとか倒錯だとか、俗っぽいところが出てこない。
蟲にやられた病人やその家族が望むことは、蟲に関わってしまう以前への原状回復のみ。
蟲を積極的に利用しようとする人も、望むことは家族や村の平穏な日常が継続することだけ。
物語を構成するのに、取り入れたくなる俗な要素を、作者が禁欲的な態度で排除しているのである。
作者のマンガ作りの志は尊敬に値する。
こんな無謀な制約のもとで連作が長期に続いているのは、ものすごいことだ。
このストイックさ、美しさ。
この本は日本マンガ界の頂点に達したのではないだろうか。