火ノ丸相撲 2 (ジャンプコミックス) の感想

驚いたことに2巻になって、部員も揃い、バトルも（相撲をバトルとは言わないが、便宜上ここではそう呼ぶ）白熱し、更に面白い。
友情、努力、勝利すべてを兼ね揃えたストーリーが熱すぎる。
90年代の古き良き黄金期ジャンプを思い起こさせる良作で、本当に面白い。

内容の質の高さもさることながら、ストーリー展開が非常にスピーディーで、
他のジャンプマンガが10回でやるところをたった1,2回で
済ませるので、話に飽きることなく読み進めることが出来ることが凄い。

これは恐らく担当編集との作戦会議で、作者と編集が打ち切り対策として考案したストーリー展開なのだろうが、大成功だ。
この漫画を読んでいると、最近の長期連載漫画の引き伸ばしストーリーがいかに異常かが良く解る。
「フープメン」「クロス・マネジ」など、面白いにも関わらず序盤が冗長なせいで打ち切られた不遇の良作とは、
そこが違うと思った（主人公が最初にライバルに勝つのもカタルシスがあって良い。大体の漫画では負けるからね）。
担当編集は余程有能なのだろう。

相撲という一瞬でカタがつく格闘技を題材にしているのも、非常にプラスに作用している。
漫画とは本来読者を飽きさせないために展開はスピーディーなものだと、世に知らしめてくれた。

絵も新人とはとても思えない綺麗さで、迫力満点。しかも週刊連載で仕上げているとは、ちょっと信じられないレベル。
更には初連載だというのだから、驚き。かつての新人たちの初連載と比べると、あまりの絵の上手さに唖然。

大袈裟ではなく、久々にとんでもない漫画が出てきたなと思った。