In a World Like This の感想

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アルバム"Black & Blue"あたりまでの、華やかでダンサブルな曲調が好きな方には物足りないかもしれませんが、5人のこれまでの人生が映し出された、味わいと深みのある1枚になっています。ソファに腰掛けてリラックスしながら聴ける、そんなアルバムです。ケヴィンのカムバックにより、安定感がぐっと増したように思えます。

また、以前と比較して、全員のソロパートが増えたことを実感します。AJ、ブライアン、ニックがメインだった頃のソロパートでは、それぞれが個性を前面に打ち出して歌っているように聞こえましたが、このアルバムではぼんやり聴いていると誰のソロパートかわからなくなるくらい、それぞれの声が自然に溶け込んでいます。

"In A World Like This"は、リードシングルとしてはやや地味というか、「悪くはないけれど、インパクトもさほど強くない」という印象です。一番強い印象を残したのは、5曲目の"Show ’em (What You’re Made Of)"という壮大で力強いバラードです。ほとんどのメンバーが父親になり、家族への強い決意が込められているように聞こえました。個人的な意見ですが、20周年記念アルバムにはこちらの方がふさわしいように思いました。

世界的なスーパースターになった彼らですが、相変わらず気さくでフレンドリーな人柄も彼らの魅力の一つです。10月の来日公演が楽しみです。