ブラームス:交響曲全集 の感想
参照データ
タイトル | ブラームス:交響曲全集 |
発売日 | 2014-01-15 |
アーティスト | シャイー(リッカルド) |
販売元 | ユニバーサル ミュージック |
JANコード | 4988005804181 |
Disc 1 : | 交響曲 第1番 ハ短調 作品68 第1楽章:Un poco sostenuto-Allegro 交響曲 第1番 ハ短調 作品68 第2楽章:Andante sostenuto 交響曲 第1番 ハ短調 作品68 第3楽章:Un poco Allegretto e grazioso 交響曲 第1番 ハ短調 作品68 第4楽章:Adagio-Allegro non troppo, ma con brio 交響曲 第3番 へ長調 作品90 第1楽章:Allegro con brio-Un poco sostenuto 交響曲 第3番 へ長調 作品90 第2楽章:Andante 交響曲 第3番 へ長調 作品90 第3楽章:Poco allegretto 交響曲 第3番 へ長調 作品90 第4楽章:Allegro |
Disc 2 : | 交響曲 第2番 ニ長調 作品73 第1楽章:Allegro non troppo 交響曲 第2番 ニ長調 作品73 第2楽章:Adagio non troppo 交響曲 第2番 ニ長調 作品73 第3楽章:Allegretto grazioso (Quasi Andantino)-Presto ma non assai 交響曲 第2番 ニ長調 作品73 第4楽章:Allegro con spirito 交響曲 第4番 ホ短調 作品98 第1楽章:Allegro non troppo 交響曲 第4番 ホ短調 作品98 第2楽章:Andante moderato 交響曲 第4番 ホ短調 作品98 第3楽章:Allegro giocoso 交響曲 第4番 ホ短調 作品98 第4楽章:Allegro energico e passionato 交響曲 第4番-もうひとつの冒頭 |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » クラシック » 交響曲・管弦楽曲・協奏曲 |
購入者の感想
ジョージ・セルと言えばクリーブランドの指揮が輝きます。個別で購入するよりも全集で購入した方が割安感がありますが音質は若干落ちるようです。購入して良かったと思います。
シャイー(Riccardo Chailly 1953-)指揮、ゲヴァントハウス管弦楽団による、ブラームス(Johannes Brahms 1833-1897)の交響曲全集。2012〜13年の録音。CD3枚組。シャイーは、コンセルトヘボウ管弦楽団と1987〜91年にも全集を録音していたあので、20年以上経ての再録音ということになる。
ただ、このたびの録音は、前回のものと比べて、きわめて企画性の高いものとなっている。その理由は収録内容の多彩さにある。収録曲目を一通り俯瞰しただけで、「網羅性を充実させた、資料価値の高い全集」であることはわかるが、更に「1枚への収録曲目の量」に目をむけると、「速いテンポによる演奏」であることも察せられるに違いない。
さて、聴いてみての感想である。前提として、私はかつてシャイーがコンセルトヘボウと録音した全集をたいへん気に入っていて、よく聴くのだけれど、その「前回作」とはまったく異なった印象を受けた。その印象の差異の大部分は「テンポ設定の違い」にある。このたびの録音はやはり速い。
この「速さ」がどのような考察から導かれたものなのか、わからないが、とにかく非常に小気味よく音楽は進行し、用いられる表現が実にヴィヴィッド。活力に溢れ、粘着性のところはほとんどない。このテンポを維持するため、音響は適度なスリム化が行われ、浪漫的な高揚や、膨らみは可能な限り排されている。そして、非常に締まったシャープな感覚の音が次々と連鎖反応のように繰り出される。
こうやって書くと、その演奏は無機的で機械的なものと思われるだろうか。ところがそうではない。これがこの演奏の凄いところ。シャイーがちょっと前に録音したベートーヴェンの全集を聴かれた方なら想像しやすいかもしれない。あれも速かった!しかし、決して情感は圧殺されていない。それどころか、美しい響き、抒情性はさりげなく、適度に残っているのである。まるで上品な、ちょっとしたときに気付く香水のように。
その上、迫力も失われていない。むしろ高速進行の中で、凛々しく鳴らされる金管やティンパニの量感のあるフォルテは、力強く、リズム感豊かで、聴き手の気持ちを高揚させる。
ただ、このたびの録音は、前回のものと比べて、きわめて企画性の高いものとなっている。その理由は収録内容の多彩さにある。収録曲目を一通り俯瞰しただけで、「網羅性を充実させた、資料価値の高い全集」であることはわかるが、更に「1枚への収録曲目の量」に目をむけると、「速いテンポによる演奏」であることも察せられるに違いない。
さて、聴いてみての感想である。前提として、私はかつてシャイーがコンセルトヘボウと録音した全集をたいへん気に入っていて、よく聴くのだけれど、その「前回作」とはまったく異なった印象を受けた。その印象の差異の大部分は「テンポ設定の違い」にある。このたびの録音はやはり速い。
この「速さ」がどのような考察から導かれたものなのか、わからないが、とにかく非常に小気味よく音楽は進行し、用いられる表現が実にヴィヴィッド。活力に溢れ、粘着性のところはほとんどない。このテンポを維持するため、音響は適度なスリム化が行われ、浪漫的な高揚や、膨らみは可能な限り排されている。そして、非常に締まったシャープな感覚の音が次々と連鎖反応のように繰り出される。
こうやって書くと、その演奏は無機的で機械的なものと思われるだろうか。ところがそうではない。これがこの演奏の凄いところ。シャイーがちょっと前に録音したベートーヴェンの全集を聴かれた方なら想像しやすいかもしれない。あれも速かった!しかし、決して情感は圧殺されていない。それどころか、美しい響き、抒情性はさりげなく、適度に残っているのである。まるで上品な、ちょっとしたときに気付く香水のように。
その上、迫力も失われていない。むしろ高速進行の中で、凛々しく鳴らされる金管やティンパニの量感のあるフォルテは、力強く、リズム感豊かで、聴き手の気持ちを高揚させる。