ゴールデン☆アイドル 本田美奈子 の感想

本田美奈子の曲は当たり外れ多いけど、これは買っても良いと思う

彼女を初めて見たのは「ドリフ大爆笑」でのコントと、デビュー曲「殺意のバカンス」の歌唱だった。実年齢より幼く見える可愛らしいルックスと、「抱きしめてー！」と、出だしからパンチのある歌唱に驚いた。その後ヒットした「Temptation」も、たしかストーブか何かのCMに本人出演で使われ、その時のあどけない表情も、未だに脳裏に焼き付いている。その後のヒット曲を網羅した、今までにない豪華仕様のベスト盤。ただひとつ、個人的には「Temptation」のジャケット、あるいは同時期のフォトをアルバムのジャケットにして欲しかったな。「マリリン」以前のその頃からファンになった人が多いんじゃないかな。

いまいち売れないＢ級アイドルとして４枚のシングルを発表した後、
秋元康の下世話な詩の「１９８６年のマリリン」で突如ロック化して掴んだ人気歌手の座。
そして「あなたと熱帯」の自爆的な空中分解でチャートの常連から引きずり下ろされるまでの軌跡。
本作はその流れを一望できるつくりとなっております。

ヒット曲の数々はさすが耳に馴染みますね。当時はあんまり好きじゃなかったんですが・・・
それにしてもかなりの歌唱力の持ち主ですね、グイグイ引き込まれるものがあり後のクロスオーヴァー化も納得できます。
若くしてお亡くなりになったこと、今更ながら悔やまれますね。

それにしてもこの歌の上手さ、ロック化しか生かす方法が思いつかなかったんでしょうか？
音楽業界って当時も今もダメダメですな。
売り上げという成功と引き換えに、一人の女性歌手の可能性を吸い尽くしちゃうなんて・・・

ともあれ本作は、本田美奈子という稀有な歌唱力を持つ歌手がいたことを思い出させてくれる素晴らしい企画盤です。
良曲多し。ヒットした歌で好きなのが１曲でもあれば買って損はしないと思います。