逃北―つかれたときは北へ逃げます の感想

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参照データ

タイトル逃北―つかれたときは北へ逃げます
発売日販売日未定
製作者能町 みね子
販売元文藝春秋
JANコード9784163761305
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » な行の著者

購入者の感想

いま「逃北」中の稚内(冬)からこのレビューを書いている。

能町さんの本を鞄に忍ばせながら、宗谷バス(路線バス)に揺られ、一路ノシャップ岬へ。
水族館の飼育員の人は、アザラシか何かにエサをあげていて、鳥はこの強風を泳ぐように稚内の冬の空を飛んでいて、
自動販売機は北に逃げてきた誰かのために、コーンポタージュをあっためている。

日本海だかオホーツク海だかわからないこの海は、まさに「逃北」の表紙の海の色だ。鉛色。
怖さと厳しさ、寂れた感じと同時に、微かな懐かしさを感じる。不思議に生きる勇気がわいた。

能町さんはこの本の中で、「北」に御自身のルーツを求めているが、
「北」に縁もゆかりもない私も、この「逃北」には十二分に共感するところがある。

ただ、能町さんがこの本の中で「伝わっているのかな、この感じ」と何度も心配されているように、
正直、この感覚は誰にでも共通に伝わる感情ではないような気はする。
まあ、能町さんの本はそれくらいのストライクゾーン設定で良いのではないでしょうか。
伝わる人にはしっかりと深く伝わるはずです。

能町さん、ぜひ稚内に1か月間滞在して、駅前の喫茶店で1冊書き上げちゃいましょう!
きっといいものができるはずですよ!

能町さんの本は全部読んでいますが、その中でもこの本は秀逸です。他の人がしたことがないような経験を書いているわけでもない、世の中を分類しているわけでもない。でも読むと何だかほっこりする。そんな旅のエッセイ集です。

追い込まれると北に逃げたくなる、というその習性。最初は???と思うものの、読み進めて行くうちに、何となくわかるような気がしてくるのです。

ただ単に北に行けばいい、というものではなく、その場所の”北性”に着目しているのも面白い。実際に北にあること+寂れてる感の総合評価でしょうか。

行って何をするわけでもなく、ただ北を楽しむ。そんなゆったりとした旅行も素敵だな、と。

この本を読み終えた時、誰しも北への旅を想起するのではないかと思います。

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