正論 2013年 10月号 [雑誌] の感想

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タイトル正論 2013年 10月号 [雑誌]
発売日2013-08-31
販売元日本工業新聞社
JANコード4910055991030
カテゴリジャンル別 » 雑誌 » 文芸・総合 » 総合

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「戦争史観の転換ーーアメリカ文明の鎖国性」西尾幹二

ここで西尾が言う「アメリカ文明の鎖国性」というのは、アメリカ人の狭隘で傲慢な価値観、精神性における「鎖国性」のことである。キリスト教を基盤に、グローバリズムの名前で世界普遍性を説いた瞬間に「傲慢さ(ヒュブリス)」の罠に落ちて、「自由と競争」において一定の成果を収めるものの、国際政治や外交で取り返しのつかない破壊と失敗を繰り返す。ここ100年間、アメリカが主導した国際政治は、「アメリカ精神の鎖国性(無知と傲慢)」によってかきまわされ、いたずらに混乱を招き、不要な戦いを生んできたのではないか。
例えば、20世紀の歴史で「W.ウィルソン」と「F.D.ルーズベルト」という二人のアメリカ大統領が犯した過ちは、彼等の個別的な資質だけに原因があるわけではない。全体としてアメリカ人が持つ無知と傲慢、多様な文化・文明の価値観を認められない「精神の鎖国性」に問題がある。西尾は、多分、そう言いたいのだろう。

今回の論考で、西尾は、「アメリカ精神の鎖国性」を明らかにするために、二つの補助線を引いて、その比較から、アメリカの問題性を明らかにしようとしている。
1  アメリカにおける「西欧型中世の欠如」。「封建領主制、騎士団、荘園などの『小集団文化』をアメリカ史が知らないことの欠陥。」西欧中世に存在した戦争のゲーム性を知らないために「敵の名誉」や「敵を赦す」ことを知らず、「正義の戦争」と称する独善と徹底的破壊。政治としての戦争文化の未熟さ。(この補助線の有効性については、厳密には、西尾は結論を保留し、仮説的考察とする)
2 古代ギリシア文明との比較。特に、古代ポリスの奴隷制社会における「自由」と「平等」の現実。アリストテレスの「奴隷制正当化論」と後代への影響について。

まず、「中世の欠如」である。 西尾自身は、この問題について結論を留保しつつ、ただ、そこに示された視点については考察の対象にしている。

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