ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱 の感想

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参照データ

タイトルジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱
発売日販売日未定
製作者ジュディス バトラー
販売元青土社
JANコード9784791757039
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 女性学 » フェミニズム

購入者の感想

構築は行為体の必須の場面であり、行為体が分節化され、文化的に理解可能となる次元である。
言語実践の外側に行為体や現実が存在する可能性はなく、行為体や現実に理解可能性の資格を与えているのは言語実践のみである。
それゆえ課題は「反復すべきかどうか」ではなく、「どのように反復すべきか」なのだ。

シビレル。

ジェンダーが後天的な弁別的な思考によって社会に定着するとは、わかりやすいが、
実は一見本質的に見えるセックスこそが、ジェンダー的発想によって、
人を強制的に「男/女」に区分けするイデオロギー装置だと看破した快著。

のみならず、本質的思考を排除し、パフォーマンス行為の蓄積がジェンダー/セックスを構成するという発想は、
ジェンダー理論、セクシュアリティ理論を越えた理論的有効性を持つ。

訳者である竹村和子氏の夭折が惜しまれます。

傑作である。本書は非常に学術的な内容を多く含む論文であるが、一般読者にも広く受容された。「ジェンダー」が論争的な概念であるということをここまで徹底的に突き詰めて考えて、一つのまとまりのある論文に完成させた論者はそれまでいなかった。
バトラーはフーコー、デリダ、ラカン、レヴィ=ストロースなどのポスト/構造主義派の論者の言説を批判的に受け継ぎながら、「ジェンダー」の社会的構築という問題について訴える。その中から生まれた「エイジェンシー」「パフォーマティヴィティ」などは、まさしく実存主義と構造主義の間の脱構築を試みる刺激的な概念である。
本書は「女」の基盤的実在を無に解消したという理由で多くのフェミニストから激しい批判に晒されることになる。だが、その極めて理論的な文章の奥底には、彼女の「政治」的な問題意識が常に強く存在する。1990年代に爆発的な勢いを持つことになったクィア理論などは、その政治的問題意識を本書の中に注意深く読み込むことから発展したといってよい。
本書はフェミニズムを研究する者にとっては避けては通れないものである。私たちの認識の基盤を揺るがす書物はそう多くはないが、本書はその数少ないものの一つである。

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青土社から発売されたジュディス バトラーのジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱(JAN:9784791757039)の感想と評価
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