現代思想2008年8月臨時増刊号 総特集=吉本隆明 肯定の思想 の感想

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タイトル現代思想2008年8月臨時増刊号 総特集=吉本隆明 肯定の思想
発売日販売日未定
販売元青土社
JANコード9784791711857
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 思想誌 » 現代思想

購入者の感想

 数年に一度、各雑誌社が持ち回りで(?)、吉本隆明特集を組んでくれる。
 たいてい購入するのだが、別に、他人の書いた「吉本隆明論」が読みたいわけではない。
 書誌データや年表などの資料が欲しいのと、巻頭に置かれる事が多い、最新のインタビューを読むことによって、今現在の吉本の立ち位置を確認したいからだ。

 本書にも、これまでの活動を概観するようなインタビューが掲載されているが、−−大雑把に言って、三つのことが印象深かった。

1)二つの話題で、猪瀬直樹に言及している。彼の「ミカドの肖像」が出たとき、読んでとても引き付けられたが、吉本が自らの雑誌でミソクソに貶しているのを読んで、不審に思ったことを思い出す。その後も、彼に対する評価はブレていてい、おもったより猪瀬に対して嫉妬心やライバル心を抱いているのではないか?

2)ボードリヤールと毛沢東の考えは生き残る、と発言していること。かつて、この二人には否定的だと思っていたのだが、いつから転換したのだろう? もっとも、毛沢東に関しては、「持久戦論」を評価しているに過ぎない、とも読めるが

3)いまだに、オウムの麻原への敬慕(?)の情を保っているらしいこと。遠隔通信でか、入牢している麻原からなんらかの作用を感じたとのこと。ちなみに、中沢新一にもそういうことはあったとのこと。かつて吉本は、なんで小林秀雄は天皇を評価するのか、くりかえし批判していたが、そっくりそのまま、そのときの吉本の言辞を、彼時子音に贈呈したいところだ。

 ということで、全体的な印象としては、「寂莫たる想い」が妥当でしょう

 ちなみに、そのインタビューは、最近、青土社から刊行された「貧困と思想」に収録されているので、年譜など必要のない向きには、「貧困と思想」の購入をお勧めしたい。

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