ゲーテと歩くイタリア美術紀行 の感想

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参照データ

タイトルゲーテと歩くイタリア美術紀行
発売日販売日未定
製作者J.W.フォン ゲーテ
販売元青土社
JANコード9784791760107
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

 独文学者の高木昌史氏によるゲーテのイタリア・ルネサンス美術評の翻訳集。第一部では『イタリア紀行』『旅日記』から、イタリア各地でゲーテの鑑賞した名作に関するコメントが抜き出され、高木氏による解説が施される。ここで興味深いのは、中間項としてブルクハルトによる、同じ作品に対する美術評が収録されている点である。ゲーテの評価とブルクハルトの評価が対比され、それを高木氏がまとめる格好になっているのである。こうすると明らかになってしまうのだが、ゲーテの美術評は一面的で直観的すぎる。その直観が面白いとも言うのだろうが、ブルクハルトの明晰さの前には影が薄くなる。改めてブルクハルトに感嘆させられる。
 第二部はゲーテの『芸術と古代』からマンテーニャ等について論じた評論が3篇訳出され、高木氏の解説が付く。マンテーニャ評は非常に優れたものだと思う。
 高木氏の解説は素人っぽく、美術への無理解を露呈している。参考程度にしかならない。

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