1からのマーケティング分析 の感想

「マーケティング分析」と銘打っているものの、マーケティングのために統計を齧りたい人向けの「統計入門」。初歩的な事柄からスタートし、しかも身近な事例を用いて説明してくれるので、非常に分かりやすい。それでいながら、後半では相当高度なことまで扱っており、この本を読むと、分散、標準偏差、χ２検定、ｔ検定、有意水準、独立変数、従属変数といった、統計分析につきものの用語は少なくとも理解できるようになる。これは素晴らしいことだ。序盤に比べると、後半はかなり駆け足気味で、計算式は省略され、計算はソフトに任せている個所が多かったが、本書の読者にとっては統計ソフトも未知の世界なので、この辺についても説明があるとなお良かった。なお、私はマーケティングに携わっているわけではなく、統計の基礎を学ぶために本書を手に取ったが、大変勉強になった。