「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ (講談社のお料理BOOK) の感想

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元料理人です。セールだったので冷やかしで買ったのですが「いや、ほんとその通り」と思うことが丁寧に沢山書かれてます。

地方でそれなりに人気のイタリアンやカフェに行ってもオイル系のパスタを注文すると、パスタをオリーブオイルで炒めた様な物が未だに平気で出てきてガッカリする事が多い。

えっ？オイル系のパスタって、具材とパスタをオリーブオイルで炒めたモノじゃないの？って思った人は是非買ってほしい。
目から鱗が何枚か落ちると思うのと、料理が数段上手になると思うので。

内容は99年発売のイタリア食堂「ラ・ベットラ」のシークレットレシピと似た構成になっています。
メニューも被るものがあります。
書店ではじめに手に取った時はシークレットレシピを散々愛用したし、いいかなと思ったのですが
パラパラ眺めているうちに、やっぱり我慢できずに買ってしまいました（笑）

コツやポイントの細かさ、丁寧な説明は以前と変わりないですが（むしろさらに細かくなっているかも）
トマト缶の代わりに、残っても応用のきくトマトジュースを使ったり、いい意味で手を抜きつつ進化していると感じました。
そして肝心の味も美味しいです。

写真の中で嬉しそうにパスタを見つめる落合さんは時を経て、それなりのお年になりましたが
見ているこちらまで顔がほころびそうな笑顔は、この本を象徴しているかのようです。
とりあえず、なにかイタリアンの本をという方にも、ベテランの方にも強くお勧めしたい一冊です。

落合さんのレシピ本ですが、以前に『落合努の家で作れる本格イタリアン』を
買ったことがあります。今回の本は、前菜、パスタ、メイン、デザート、レシピの内容は重複があります。
そして今回出た本と昔を比べると、確かに同じことが書かれているのですが…。

まず字が大きい。そして大事なところは繰り返し書かれていてなおかつ
赤文字あるいは赤のアンダーラインがひいてあります。
本としての体裁もいいです。お料理がまず美味しそう！
それから全レシピの行程が写真つきなので、
状態がわかりやすいです。
そして料理は「いい素材よりも「腕」です」（p.3)と。
思うのですが、これは料理好きな主婦にとってもかなり耳が痛い話です。
多くの主婦レシピは、家計と家族の健康と毎日の家事の一環という
バランスで成立しているものですから。

でも久しぶりに真剣にレシピを見て料理してしまいました！
作ったのはカチャトーラ（鶏の煮込み）とサラダ。
特に落合さんがどのレシピでもしつこくいう「乳化」のプロセスが
こんなに難しいとは…カチャトーラは最後の煮込みで油と水分が
分離し、サラダをドレシッグで合えたら
やはり水分がボールに残ってしまいました。

感想としては、コレステロールが気になる夫のためには
普段はタニタ食堂（風）のレシピなのですが、
週末の時間があるときに気分転換も兼ねて
ガッチリしたイタリアンを作り、美味しいワインを飲む。
これは素晴らしい時間ですね。

ちなみにいつもは私の薄味レシピに文句をいう
娘や夫にはやっぱり評判が良かったです。
たとえ乳化に失敗しても、オリーブオイルにきちんと
にんにくの香りをうつしたり、ハーブを使ったりという
細かいところが結果的には最後の料理の質を高めるということが
わかりました。

落合さんの言葉「何度でも作ってチャレンジしてください、料理人もそれで
覚えるのですから」という言葉に励まされました。

　「この本では『理屈』を教えます。口を酸っぱくして教えます。『理屈がわからないと、おいしい料理はできないからです」
冒頭にある一句です。確かにそうだなあと納得しました。
　この本の料理の内容は大きく分けて、パスタ、前菜、主菜、デザートとなっています。それぞれ料理の作り方、こうしたらおいしいとかこうしたらうまく行く、といった丁寧な説明がされています。それから他の料理本と同じように材料、調理手順と進んで行きます。特にこの本は作業行程の写真が細かくたくさん載っていて分かりやすいです。
　自分はパスタを作りたくてこの本を購入したのですが、他に気に入っているのが、「グリルの基本」が載っていることです。「豚も鶏も魚もグリルの基本は一緒」と、どの肉にも共通する焼き方が丁寧に説明されています。分かりやすく、なるほどなあ〜と納得、感心してしまいました。料理初心者の自分にとっては料理の基本がたくさん学べたので大満足です。