米国製エリートは本当にすごいのか? (中経の文庫 さ 21-1) の感想

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参照データ

タイトル米国製エリートは本当にすごいのか? (中経の文庫 さ 21-1)
発売日販売日未定
製作者佐々木 紀彦
販売元KADOKAWA/中経出版
JANコード9784046010414
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

2011年出版の単行本の文庫化。

最近、大学での教養教育の重視が喧伝されています。教養とは、自分は如何に生くべきか、自分にとって重要な問題とは何か、それを解くにはどうしたらよいか、という問いを自ら設定して解答するための幅広く基礎的な情報だと評者は思います。それらは一生必要な知識ですが、特に自我が確立し進路を定めていく高校生から大学生の課程で最も必要とされ、かつ、獲得させやすい知識あるいはスキルだと思います。高校までは、正解のある問題を解けるようになればよく、日本の大学受験では、一部トップ校で発想力も問うものの、おおよそ、教科書に書いてある知識とそれらを編集したり表現したりする力を問います。その強迫観念が強すぎるのか、大学以降でもあらゆる問題に対して日本の学生は正解を求めたがるそうです(柳川範行著「東大教授が教える独学勉強法」)。しかし、欧米の高等教育では、正解のない問題を解くことにこそ価値を置き、大学受験レベルでも正解のない問題へいかに回答するかをよく吟味し、知識と表現力のみならず研究者、社会人としての創造性と深さを測ろうとします(栄洋子著「ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか? ~日本人が抱く大いなる誤解~ (ワニブックスPLUS新書) 」)。大学進学後はなおさら。(福原正大著「ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方 」)。

この正解の無い問題を自ら設定し考える段階を経ていないことのため、すでに日本のエリートは負けかねません。他者に頼らず、己の価値観をこそ信じて、己を磨き、行動する態度があるのか?

そして、本書の言う幅広い知識と競争。あるいは競争心。

本書は、本書のあとがきの通り、著者が米国に留学して競争力がなかった(と自己評価なさった)ことを嘆いた体験談です。アメリカのエリートがなぜすごいのか、については、深くえぐりきってはいません。しかし、体験談そのものは貴重な報告と言えるでしょう。

以下、単行本への書評を再掲します。

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