太平洋の赤い星 の感想

アメリカ海軍大学準教授の二人が執筆した、中国の海洋進出をテーマにした本です。
内容は二人の研究成果をもとにしたもので、例えば

・中国におけるマハンの思想の影響力
・鄭和を用いた中国イメージ戦略の成否
・対艦弾道弾をはじめとする中国のミサイルがアメリカ海軍に与える影響

と言った物です。

中でも、中国は何もアメリカ海軍と張り合う海軍力を持つ必要は無く、様々な条件を活用する事により戦力に優れたアメリカ海軍を敗北させる、あるいは最低限、その行動に制限をかける事により、自国の戦略目標を十分に達成できるとの指摘は重要であると思います。

この様に内容に関しては充実しているのですが、残念な点が一点あります。
それは、翻訳がこなれていないのか、とても読みにくい日本語文章になっていると言う点です。
あるいは原著の文章自体がまどろっこしいと言う事なのかも知れませんが、とにかく読みにくかったです。
十分な校正をかけるとかなり良くなるのではないかと思うだけに、とても残念でした。