日中もし戦わば (文春新書) の感想

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参照データ

タイトル日中もし戦わば (文春新書)
発売日販売日未定
製作者マイケル・グリーン 張 宇燕 春原 剛 富坂 聰
販売元文藝春秋
JANコード9784166608362
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

2011年12月20日リリース。アメリカ国家安全保障会議(NSC)日本・朝鮮担当部長だったマイケル・グリーン氏、中国社会科学院アメリカ研究所研究員だった張宇燕氏、『中国の地下経済』など中国の現在に最も詳しいと思える富坂聰氏、そしてその3人から見事に話を引き出す春原剛氏による『東アジア圏』のほぼホンネかつガチの対談集である。話者がいずれも自国の『心情』をかなり吐露した内容で、予想を遥かに超えた詳細なシミュレーションにすっかり引きこまれた。

本書の内容に多大な影響を与える『金正日死去』は、2011年12月17日なので、リリースの日から考えて本書の内容がやや古くなってしまったのは仕方がない。今、米・中・日・韓国・北朝鮮がどのような立ち位置にあるのか、がかなり明確になった。そして、『金正日死去』によってここでのシミュレーションは始動し始めてしまったということになる。

この始動によって、この本の中にも書かれているが、『中国ははたして北朝鮮をコントロールする力があるのか』が分かって来るだろう。私信ではないと思っている。そして北朝鮮をコントロールするのが中国の役割のように世界に思われていることが、中国は迷惑だとホンネでは感じているのだろう。そしてトウ小平の見事な戦略が成功した今の中国が、多くの矛盾を内包したまま走り続けられるとも思えない。『中国共産党は人民解放軍を本当にコントロールできる力があるのか』も近々見えてくるのだろう。

ただ、引き金となるであろう『金正日死去』以降の北朝鮮の今後に対するシミュレーションは、専門家不足故か『浅い』とぼくには思えた。韓民族は稀代のストーリー・テラーなのは韓流ドラマの素晴らしさを観てでも強く感じることだ。金正男氏のことだけ触れて、金正哲氏のことには全く触れないでシミュレーションするなどおかしな話だ。北朝鮮のヤンバンやノロン派の末裔たちは驚くようなストーリーを用意しているような気がぼくはする。

しかしながら中国が『第5世代ステルス戦闘機』と言っている『殲(せん)20(J20)』の『カナード翼』に着目(259ページ)など随所に鋭く、内容は極めて濃い。平和ボケしている日本人は読まねば話にならない一冊だと思う。

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